世界史ときどき語学のち旅

歴史と言語を予習して旅に出る記録。西安からイスタンブールまで陸路で旅したい。

武陵源/鳳凰を自力で旅したい人のためのガイド/旅行記(2):鳳凰編

本記事は2018-01-19に執筆した記事を引っ越したものです。記事内の情報は執筆当時のものであり、2023年時点での情報ではありません。

前回の記事に続き、今回は鳳凰(または鳳凰古城)について書きます。 張家界に比べて鳳凰は小ぢんまりした街なので、今回はさくっといきます。

また、鳳凰についても以下の情報源を参考にしました。

http://yuseisuzumura.com/archives/3743yuseisuzumura.com

www.hanmoto.com

前回の記事はこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

1. 鳳凰の概要

鳳凰は張家界からおよそ200km程度離れた小さな街です。

旧市街(鳳凰古城)には現在も明清時代の建物が残り、19世紀から20世紀初頭の街並みを今に伝えています。さしずめ中国の「小京都」とでも言えば良いでしょうか。 似たような街に麗江古城平遥古城などがあり、これらの古城に続けとばかりに、鳳凰古城もユネスコ世界文化遺産登録を目指しています。

鳳凰にたどりつくまでの難易度はやや高い*1ですが、 着いてしまえば後は街中を気の向くままに散策するだけで見所をほぼ全て楽しめます。

2. いつ行くのが良い?

今回は1月頭に行きましたが、あまりオススメしません。 というのも、

  • 高速道路が封鎖される可能性があるので、鳳凰への行き来が困難になる可能性がある*2
  • 寒い(昼間でも2℃くらい)ので、町歩きには向かない、

からです。 とはいえ、オフシーズンで人も少なくまったり楽しめた点は良かったので、ここはトレードオフですね。

また、国慶節や春節の連休は人が多くなる可能性が高いので、避けたほうが良いかと思います。

3. 現地へのアクセス/日程/宿泊

3.1 現地へのアクセス

地球の歩き方」にもありますが、鳳凰にアクセスできる公共交通は長距離バスのみです。 張家界観光とセットで行く場合には、次の2つのルートが利用できます*3

  • 張家界バスターミナルから鳳凰総合バスターミナル(凤凰汽车客运总站)直通のバス。時間は3時間半ほどで、1人80元(確か)。
  • 張家界鉄道駅から鉄道で吉首に行き、吉首からバスで鳳凰総合バスターミナルに。鉄道は1人19.5元で2時間程度、バスは1人25元で2時間程度だったと思います*4

前者の場合、切符は張家界バスターミナルで購入できます。「地球の歩き方」によると3日前から販売しているので、張家界観光のついでに事前に購入しておくと安心です。鉄道の場合は鉄道の駅で2日前から販売しているとのこと。 なお、鉄道の場合は、中国の鉄道では手荷物検査や本人確認などで時間がかかるので、遅くとも出発の30分前には着いていたほうが無難かと思います。

鳳凰総合バスターミナルから鳳凰古城あたりへはタクシーで10分程度だったかと思います(お代は15元でした。)。 なお、古城内(川の南岸)は車の乗り入れができないようで、川の北岸で下ろしてもらうことになりました。ということで、大きな荷物を抱えている人は要注意。

3.2 日程

鳳凰古城は徒歩で歩き回れるくらいの小さなエリアなので、半日か1日まったり歩けば見所は全て回れるかと思います。 また、夜のライトアップが大変美しいので、これもお忘れなく。

ということで、朝に張家界を出て昼頃に到着し、町歩きして夜景を見て宿泊し、翌日の昼過ぎなどに戻るのが良いかと思います。

なお、古城は無料で回れますが、その中のいくつかの見所の中に入ろうとすると入場料が必要です。お代は(全ての見所をあわせたセット券で)1人148元でした。

3.3 宿泊

川沿いに数多くのホテルや民宿(客栈)があります。 私がいったときはオフシーズンだったので当日でも「空き部屋あります」という看板を出している宿がたくさんあったのですが、事前に予約していったほうが無難でしょう。

宿の立地については、古城の中心部に近いところと遠いところとで一長一短あるかと思います。 中心部の宿に泊まると、バルコニーから古城の風景を楽しんだり、夜景を見に行ったりするのには便利だと思います。 ただ、鳳凰の中心部にはバーやクラブがたくさんあり(!)、夜も非常に賑やかなので、もしかすると騒音が気になるかも。。。*5

4. 旅行記

最後に、私の実際の旅行記を書いておきます。 前回の記事の旅行記の続きなので、日付は5日目からスタート!

5日目

朝から鳳凰に移動です。

張家界バスターミナルに向かい、朝9時頃のバスに乗りました。 バスターミナルの待合室はこんな感じ。 写真やや左の「VIVO」の広告の下辺りから入ってきて、待合室があり、そして写真右側の屋外にバスが待機しています。

ちなみに、バスチケットは前日に事前に購入してあったのですが、帰りのバスチケットは「鳳凰でないと売っていない」と言われたので、これは鳳凰で買うことに*6

ということで、一路鳳凰を目指します。なお、私が乗ったバスはいわゆる大巴(日本で言う観光バス)で、荷物もきちんとトランクルームに収めることができました。

バスに揺られて3時間半、鳳凰総合バスターミナルに到着。そこで帰りのチケットを買おうとするも、なんと「明日は雪で張家界行きのバスはない可能性が高い。明日になるまで分からない」と言われてしまいました...! 翌日には張家界から飛行機に乗って日本に帰る予定だったので大ピンチ!!!

とは言え、上に書いた吉首を経由したルートもあるし、今心配してもしょうがない。ということで、ひとまず宿に荷物を預けて観光することにしました。 宿はこちら。中心部からちょっと離れたところにあります。

https://www.agoda.com/ja-jp/fenghuang-tujia-ethnic-minority-river-view-hotel/hotel/fenghuang-cn.htmlwww.agoda.com

ちなみに、こちらの宿ではチェックイン時に注文をしておけば夕食を用意してくれるので、お願いしておきました。

さくっと腹ごしらえ*7をして、街に繰り出します。まるで100年以上前の世界にいるような気持ちになる、趣溢れる街並みが続きます。どこを撮っても絵になります*8

虹橋近辺からの川の向こう岸の眺め。建物が川面にせり出しているのが特徴的(川が増水したときに大丈夫なのかな。。。)。

川沿いに建つ城壁。

歴史を感じさせる街並み。でも防犯カメラがきちんとあったりする。

素敵な橋もいくつかあります。

こちらは雪橋。楼閣の上からの眺めを満喫できます。

こちらは虹橋。なんと3層構造で、中にはお土産店などがあります。2階には展望台があるそうですが、行きそびれました。 ちなみに、水面の青い光は、クラブかディスコの照明が反射したものです(ホント 虹橋(上から)。

チケットも購入して、各見所の中も見ていきます。ちなみにチケットにはQRコードが印刷されていて、それを各見所でスキャンしていました。中国、やたらとQRコードが普及してる。。。

楊家祠堂(内観)

崇徳堂。解説によると、裴守禄という人物が商売で成した財で19世紀に建てた御堂とのこと。彼が全国各地から集めた美術品、特に扁額のコレクションも展示されています。

他にも、鳳凰古城の名を中国中に知らしめた小説「辺城」を執筆した沈従文の昔の家や、中華民国の総理を務めた熊希齢のかつての家などなど。

いったん宿に戻って夕食*9。そして街に再び出ると、幻想的な光景が...! *10

趣深い街並み、歴史溢れる見所の建物、そしてライトアップされた幻想的な眺めと、半日でしたが存分に楽しめました。

6日目

さて、前日に「帰りのバスないかもよ」と言われていたので、この日はまた朝から余裕を持って移動。張家界を目指します。

宿をチェックアウトしてタクシーでバスターミナルに行きましたが、案の定「高速道路が雪と氷で封鎖されたので、張家界行きのバスはありません」という非情な宣告。。。がしかし、めげずに迂回ルートの吉首までのバスのチケットを買いました*11。 吉首からは鉄道で張家界に戻る手はず。

さて、バスに揺られて吉首の駅を目指すのですが、吉首の市街地に近づいた辺りから、どうもバスの調子がおかしい...。と思ったら、なんと「オイルが凍って走れなくなりました。路線バスに乗り換えてください。」というまさかのトラブル*12

ということで、げんなりしながら路線バスに乗り換え、吉首の鉄道駅に到着。幸い座席数にも余裕があり、無事チケットを購入して張家界に向かいました。ちなみに、行き先表示板を見てびっくりしたのですが、上海行きやウルムチ行きの便もあって、スケールに圧倒されました。何時間かかるんだろうか。。。

予定外の鉄道の旅でしたが、時間通り順調に張家界駅に到着。ちなみに、車内の液晶文字表示板は広告だけでなく、ジョーク集やなぞなぞも流していたのが印象的でした。 写真は張家界駅のホームです。

タクシーで空港に向かい、夜の便で上海に移動。のはずが、ここで今度は飛行機が2時間近く遅延するというトラブルが...! なんと前日まで天気のせいで数日間飛行機が離着陸できなかったそうなので、遅れたとはいえ飛ぶだけまだ幸運だったようです。 ということで、空港出発ターミナルで飛行機を待ちます。張家界空港は新しいのか、非常に綺麗でした。

待ったとは言え無事に飛行機に乗り、上海の浦東空港に到着したのが23時頃。ただ、翌日の便が虹橋空港だったので、ここから更にタクシーで移動*13。 宿は空港内のこちらにしました。

https://www.agoda.com/ja-jp/shanghai-hongqiao-airport-hotel-airchina/hotel/shanghai-cn.htmlwww.agoda.com

ひたすら移動の1日を終えて、お布団にダイブ!

7日目

前日はトラブル続きでしたが、後は帰国だけ!

またまた早起きし、ホテルからターミナルに移動します。 というのも、ホテルは第2ターミナルにあり、羽田へ向かう便は第1ターミナルから出発するからです*14。 とはいえ、ターミナル間の移動は地下鉄で1駅、すぐに着きます*15。後で知ったのですが、無料の連絡バスもあるそうです。 ちなみに、「タクシーでつれてってあげるよ!」とかいって地下鉄の数倍以上の値段を提示してくる手合いもいましたが、遠回りで時間もかかるのでスルーしましょう。

ということで、虹橋から羽田の便で恙無く帰国しました*16

完!

*1:長距離バスに乗らなければならない。

*2:旅行記で後述

*3:なぜどっちも乗ったのかという点については、後述の旅行記を参照。

*4:このルートについては、時間についての記憶は曖昧です。あと、私が乗ったバスは高速道路が封鎖されていたせいか下道を走っていたので、時間はあまり参考にならないかもしれません。

*5:私は中心部から少し離れた宿に泊まったので、ここはあくまで想像です。

*6:もしかすると雪で道路状況が悪かったせいかもしれないので、普段はどうか分かりません。

*7:そろそろ中華に飽きてきたので、KFCで笑。

*8:古いiPhoneのカメラと私の腕では魅力が伝わりきらないのが惜しい。。。

*9:この旅ではあまりレストラン探しを真面目にやらなかったのですが、この宿での食事が一番美味しかったです。

*10:けばけばしいという前情報もあったのですが、個人的には落ち着いた雰囲気で安心しました。

*11:ちなみに、吉首に行く高速道路も封鎖されていたっぽいのですが、今回は下道を走りました。平常時にどちらを走るのかは不明。

*12:街中だったからよかったけど、山道でこれだったら詰んでた。。。

*13:350元以上かかりました。「メーター使うよ」と言ってたけど、遠回りしてぼられたのではという気がしてならない。。。ちなみに、昼間ならバスや地下鉄などもっと良い方法があります。

*14:予約するときには忘れていました。。。

*15:確か運賃は数元程度だったと思います

*16:本筋からは逸れますが、羽田着の便だと着陸時に三浦半島や横浜、そして東京湾を航海する多数の船が見れてなかなか面白いですね。