世界史ときどき語学のち旅

歴史と言語を予習して旅に出る記録。西安からイスタンブールまで陸路で旅したい。

2023年冬 西安と蘭州の旅 10日目+11日目 : 西安(小雁塔など)

2023年冬 西安と蘭州の旅10日目(2023-12-22)と11日目(2023-12-23)の記録です。 10日目は小雁塔と西安博物院を見た後書店をぶらぶらし、11日目に日本に戻りました。

今回の旅全体のまとめはこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

前日の旅行記はこち amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

朝食はホテルのビュッフェで。 前日から風邪っぽくて体調が怪しいので、朝食後ホテルでしばらくゴロゴロしてました。

12時頃出発。チェックアウトが遅くでも大丈夫なホテルで助かった。

ホテル近くのコンビニで店頭に何やら置かれているのに気が付きました。

この日はちょうど冬至で、軽く調べたところ中国(の北方?)では冬至の日に水餃子を食べる習慣があるそうです。 旧正月のときくらいかと思ってました。 ところで写真を見ると「これ常温の屋外に出して大丈夫だっけ?」と思うかもなのですが、このときの西安は最高気温が0℃くらいだったのでたぶんセーフ。

小雁塔の北側の辺りでご飯を探します。

商業エリアだからか、はたまたオフィスがあるエリアだからか、お店は多かったです。 ちょうどお昼の時間だったので、ランチ客でお店が賑わっていました。 屋外のフードコートもあれば、普通に店内で食べるお店もあり。

さきほど冬至の水餃子を見かけたので、現地の習慣に則って水餃子食べるかー、と思ったのですが、当たり前ながら水餃子のお店は大賑わいで45分待ちと言われて撤退しました。。。 *1

適当に入ったお店にしたのですが、少しショーもついてるような明らかに観光向けのお店でした。

ショーは二胡とかダンスとかいろいろ。唐代っぽい服装だけど、ダンスは現代ので若干ちぐはぐな印象かも? ただ、茶芸?(長い急須でお茶を注ぐパフォーマンス)は面白かったです。 写真撮りそびれたのですが、茶碗にドライアイスを入れてるのか、茶(お湯?)を注ぐと茶碗から白い煙が上がっていて分かりやすかったです。

料理も悪くなかったです。 お店に入ったときは「うわ、失敗したかな。」と思ったのですが、茶芸も面白かったのでヨシ!

西安博物院/小雁塔

この日の観光のメインは小雁塔です。 薦福寺の塔として707年~710年にかけて建造された*2ものです。 ただ、現在は荐福寺は寺院としては残っておらず、こちらの小雁塔は現在は西安博物院の敷地内にあります。 前回9月の旅行で行った大雁塔は現役の仏教寺院大慈恩寺の敷地内にあったのでちょっと扱いが異なりますね。 amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

あと、前日と前々日は明清時代の西安城に該当する城壁内を観光したのですが、小雁塔は再び城壁外にあります。 明清の西安が唐の長安より縮小したことを感じさせます。

電子チケットをWeChatの公式アカウント?(このへんの記憶があやふや)から購入して入場しました。 パスポート番号を登録してチケットを買ったので、パスポートの確認もあった気がする。 なお、北側の出入り口から入ったのですが、こちらは裏門的な扱いのようで、人は少なめでした。

小雁塔

北側入口から入ってしばらく進むと小雁塔が見えます。 手前の2つの石碑は「重修荐福寺地藏王殿碑」(明の崇禎年間)と「重修荐福寺碑记」(清の嘉慶年間)。

寺院と塔の修復時にその経緯を記すために建てられたもののようです*3

いよいよ小雁塔本体。 もう少し離れたところから見たもの。 大雁塔と似ているという印象を受ける一方、段の数?はこちらの小雁塔の方が多く、各階のすそ?はりだし?が目立つ気がします。

なお、塔にはメンテナンスのため一時的に立ち入りできない旨の看板があったのですが、「むしろ普段は入れるんだ!?」という驚きの方が大きかったです*4

塔の近くにある、「薦福寺来源碑」。拡大すると、後ろの方に「大清雍十二年」というのと、冒頭「薦福寺来原」「西安府永寧門外西南三里許?有寺曰薦福寺」などは読み取れます。

塔以外にもかつての仏教寺院らしき建物も残っています。 きちんと確認したわけではないのですが、多くは明清時代のもののようです*5

確かさきほどの写真の門から撮ったもの。こちらにも石碑がいくつか立っているのが見て取れます。 こちらも確認した範囲のものは明清時代のものだったはず。

近づいてみると、伽藍の様子が描かれた石碑もありました(ただ、これらはいずれも石碑の裏側に刻されたものだった記憶があります。)。

正直言って、塔そのものよりも石碑を見ている時間の方が長かった気がします。 古い建物自体も面白いのですが、そこにこうやって歴史が積み重なっていく様を観察できる様が興味深いです。 これを現場で読めるようになるともっと楽しめそう*6

西安博物院

続いて、同じ敷地内の西安博物院に向かいます。 ちなみに写真だとやや分かりにくいかもしれないのですが、手前の池はところどころ凍っていました。 冬の西安寒い。

ここまで「小雁塔は人が少なくて落ち着くなー」と思いながら観光していたのですが、西安博物院の中は人口密度がぐっと上がりました。 敷地面積の関係もあると思うのですが、中は暖かいので人がこっちに滞留したがるのは当たり前な気がします。 とはいえ、陝西歴史博物館よりは人はだいぶ少ないです。

このホールの床には秦以降の長安/西安の範囲が描かれていて、変遷を捉えることができました。

展示分野は陝西歴史博物館と被るものも多いですが、第一展示室は西安という都市に焦点を絞っており差別化が図られていたと思います。 上述したように陝西歴史博物館よりは人も少なく落ち着いて見て回れるのも嬉しいです*7

以下、気になったものをざっといくつか

秦代の水道管。ありがたいことに発掘時の写真もありました。 漏水しないようにどう接合していたのか気になります*8

北周時代のソグド人の墓(正確には「石椁」。)「史君墓石椁」。 なんだか見覚えがあるなと思ったら、レプリカが東京富士美術館で開催されていた「大シルクロード展」に来ていて、11月に見たばかりでした。

周囲四面いずれにもびっしりと浮彫などの装飾が施されています。

これとかは左から排簫(パンパイプ)、横笛、???、箜篌とかでしょうか。

一番気になったのはここの文字。 左側のは漢字ですが、右側のものはソグド文字だそうです*9。 ソグド文字は横書きのもののほうが多い印象があったのですが、ここでは縦書きされています。 横書きも縦書きも可能だったと読んだ記憶があります*10

確か唐代の雑技俑(?)。 今まで見た俑の中では一番凝ってる気がします。

他にも周代の青銅器や漢代~明代の俑、唐代の金銀細工などなどあるのですが、陝西歴史博物館と被るので、割愛。

ちなみに、ガイドによる解説もある(有料)のですが、ガイドのランクによって値段が分かれていたのが興味深かったです。一番上の「専門家による解説」みたいなものはけっこうお高かった記憶があります*11

書店

この時点でまだ時間に余裕があったので、本屋に行ってみることにしました。 お目当ては歴史や漢文(もとい古代漢語)の本。

西安の大きい本屋で探して、こちらの曲江书城に来てみました。 場所は大唐芙蓉園の近く(城壁などのあった旧市街中心部からは離れます。)。

本の持ち込みは原則禁止との表示。売り物と区別がつかないからかな。

若干映え狙いな本屋かもしれない...? *12

全体的な感想 :

  • ふかふかの椅子がいくつもあり、じっくり座って読める環境でした。
  • コーナーにもよるのですが、平積み以外はラミネート包装されたものが多く、立ち読みしにくい印象です。せめて中身をぱらぱらめくってみないと買いにくいので、これはちょっと残念。。。(でも椅子でじっくり読んでる人もいたし、もしかして店員さんに頼んだら包装を外してもらえるのかな。)
  • 中国文化関連のコーナーが充実していたのですが、これは新華書店だからかもしれません(他の書店と比較してみたい。)。

確か1階のベストセラーみたいなコーナー。 马伯庸「显微镜下的大明」は明代の史料に基づくノンフィクションのようなのですが、最近ドラマ化されたそうです。 同著者の本では、「両京十五日」は最近邦訳が出ています。 このときはそのへんの情報を知らなかったのでパラパラ眺めるだけだったのですが、今にして思えば買っておけばよかったな。。。

せっかく中国の書店に来たので、主に中国文化関連のコーナーを眺めていきます。

「碑帖」など書法のコーナーが充実していたのが印象的でした。 もしかして全体的に日本よりも書道が盛んだったりする...?

こちらは詩をはじめとした古典文学のコーナー。 後述する歴史のコーナーよりもだいぶ扱いが大きかったと思います。

国学」と題したコーナーも大きく、こちらでは曽国藩で一棚、王陽明で一棚など、思想家単位で一棚使っているところもありました。

で、一番気になっていた歴史のコーナーですが、思ったより扱いが小さかったです(国学や古典文学の方が大きかったと思います。)。 「中国歴史」と書かれた棚がいくつか並んでいたのですが、あまり時代別やトピック別の分け方はされていないようでした (「漢代」「唐代」のような王朝別の分類や、「文化史」「社会史」などのトピック毎に分かれているのを期待していたので残念。)。 ただこれ、観光地の隣のショッピングセンター内店舗だったからかもしれず、もっと手堅い本屋だと違うかも。 次に中国の大都市に行く機会があったら書店巡りだけで1日とって比較してみたいところでうs。

夕食

夕食は書店近くの羊肉串のお店で。 「羊肉串 + 野菜炒め」という自分にとっては定番の組合せで頼んだのですが、なんと野菜炒めがかなり辛いもので、お腹の調子もあまりよくない状態だったので完食できませんでした。 無念。。。

空港ホテル

翌朝の帰国便が朝7時発と早かったので、今夜は空港内(第3ターミナル)のカプセルホテルに泊まります。 1時間単位いくらで仮眠できるようなのですが、trip.comからは一晩単位で予約できました。

通常の部屋(?)は二段ベッド型のカプセルなのですが、受付時に「ネット予約した客は30元で独立した個室にアップグレードできるキャンペーン中です」(意訳)と言われたので、迷わずアップグレードしました。 こちらがその独立した個室。受付や通常のカプセルの1つ上の階に並んでいます。 個室はもちろん広くはないのですが、山小屋での個人スペースよりは広いので十分です(登山者の発想)。 しかもモーニングコールまであり、寝坊の心配もなさそう。 なお、トイレは空港のトイレを使うので、少し歩くことになります。

歯磨きもしてさーて寝るか、と思ったところで呼び出しが。 いつものやつ*13で公安から説明を要求されたので、空港内の公安局派出所にホテルスタッフの方と出向いて説明しにいきます。 なんだかんだとやりとりしたのですが、最終的にはOKということになり、ホテルの方の用意した書類に公安のおっちゃんがサインして一件落着となりました。 サポートしてくださったホテルスタッフの方には大感謝です*14。 ちなみにこちらスタッフの方はとても気さくでいろいろと話したのですが、日本にも行ったことがあるとか。

ということで、追い出される心配もなく、翌朝の飛行機の時間まで枕を高くして寝れます*15

帰国

朝5時に起きて、チェックインカウンターに向かいます。

個室から出ですぐでこんな眺めなので、本当にチェックインカウンターがすぐそこです。空港内のホテルに泊まったのはこれが初めてなので、近さにちょっと感動しました。

ただ、税関があいてなくて5:30過ぎまでは預け荷物を受け取れないとのこと。 また、税関→保安検査という順番なので、税関が空かないと保安検査にも進めないとのこと。 もう少し寝てればよかったな。。。

保安検査後にご飯を食べようとしたのですが、国際線制限エリア内はお店がほとんどありませんでした。 前回は西安から飛ぶときは国内線だったからお店が多かったのですが、国際線ターミナルは事情が違うよう*16

幸いにしてカフェがあったので、そこでサンドイッチ。 ちなみに飲み物は確か温かい豆乳。

成田への直行便で帰国しました!

*1:あと、ここじゃないけど、エビ水餃子のお店(チェーン店?)が城門近くにあって、機会があれば行ってみたかったなー。次回の課題です。

*2:現地解説パネルより。

*3:以上、現地の解説パネルより。清の嘉慶年間の方は実物から読み取れました。

*4:本当に通常は入れるのかは未確認。

*5:中国大百科全书网络版《大荐福寺》 https://www.zgbk.com/ecph/words?SiteID=1&ID=391559&Type=bkzyb&SubID=82247

*6:漢文の勉強がいったん中断していることを思い出しつつ。。。

*7:陝西歴史博物館は見学者も多いし、展示の物量/情報量が多くて消化が全然追い付かない。。。

*8:何回も同じこと書いてるかもしれない。

*9:解説パネルより。

*10:要出典。

*11:写真を撮りそびれたのが悔やまれる。。。

*12:ちなみに中国の大型書店を百度検索すると、割と映え映えな書店が多くひっかかります。池袋ジュンク堂みたいな堅実で品揃えが充実したタイプの本屋を探したいので、探し方について識者のご意見求む。

*13:私は中国籍なのですが日本在住で、いわゆる身份证がありません。これはそこそこイレギュラーなケースで、「外国籍ならパスポートでOK。中国籍は身份证があるはず。なんでないの?」という話。

*14:というかスタッフの方が主にやり取りしていて、私はあんまり出番がないくらいだった。

*15:9月に武威のホテルをチェックイン後に追い出されたことがあったので...。

*16:9月の帰国便で使った上海浦東も、国際線ターミナルに開いているレストランが1件もなかったのを思い出しました...。