世界史ときどき語学のち旅

歴史と言語を予習して旅に出る記録。西安からイスタンブールまで陸路で旅したい。

2025年春 中国・中央アジア旅行5日目 : サリム湖観光

2025年春、中国→カザフスタンウズベキスタンの旅5日目(2025-04-23)の記録です。 この日は伊寧(イーニン)からバスに乗り、サリム湖(赛里木湖)を観光します。

今回の旅全体のまとめはこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

前日の旅行記はこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

サリム湖へのアクセスなど

サリム湖は伊寧から距離がある上、景区内も広大で、人の足ではとても歩ききれないです。

ただ、観光地として人気だからか、ありがたいことに便利なセットのバスチケットがありました : 具体的には、伊寧のバスターミナルからの往復 + そのままバスに乗って景区内を移動する、というもの。 ちなみにバスチケットとは別に景区の入場料も必要なのですが、そちらは出発前に車内で支払いました(wechat payを利用しました。)。 あと、「連絡のためにこのwechat groupに入ってね」とかもあったので、wechatはあった方が良いかと思います。

バスチケットは事前にwechatの公式アカウント「伊犁州汽车客运总站」の「在线购票」から購入しました(当日に窓口で買うのも可能かと思います。)。 上の画像で往返と書かれているのが往復チケットです*1。 いわゆる身份证は不要ですが、電話番号の入力欄もありました。私は中国の電話番号を入力したので、日本の電話番号で通るかは不明です。SMSで乗車用QRコードが送られてくるのでこれで改札を通過。(購入完了画面からも乗車用バーコードを表示できるのでこれをスクショしてもいけるかもだけど、未確認。)

バスターミナルまで

バスが朝早いので、ホテルからバスターミナルに向かう途中のお店で朝食をテイクアウトしていきます。

たくさん並んでるのでぜひいろいろと試したいところですが、調子に乗って食べすぎるとすぐお腹を壊すので控えめに。 ということで、牛肉包子と八宝粥、茶葉卵にしました。

いやー、でもずらりと並んだ中華朝ごはんを見るとワクワクするし、特に粉もの系(?)とか気になるし、一都市に滞在するなら、こういうお店に足しげく通って全部試してみたい。

バスが出るのはこちらの伊犁州汽车客运总站。 入口は写真右側にあります。

改札後、まだ時間に余裕があるので、テイクアウトしてきた朝食をここでいただきます。 牛肉包子、肉っぽい食感とほどよいスパイスの香りが美味しかったです。 八宝粥はタピオカミルクティーみたいな方式だったのですが、ピーナッツがさすがにストローを通らなくて無理を感じました笑。

トイレは改札外(写真左側)にあるのですが、改札のスタッフさんに一声かければ通していただけました。

なお、トイレは厳しいです。ウルムチのバスターミナルの汚い方のトイレと同じ方式です。 詳しくはこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

しかもウルムチのバスターミナルは改札内には比較的綺麗なトイレがあったのですが、こちら伊寧のバスターミナルはここしか選択肢がないっぽいです。

気を取り直してバスに乗車。 バス車内はターミナルと雲泥の差で、新しい車両でとっても綺麗でした。前の座席の背面にUSB充電の差し口もあったり。

登山装備っぽい服装の人や、キャンプ装備らしきものを担いでる人も見かけました。

上述の通り、車内で景区入場料の支払もあり、このへんの手続きで30分くらい待った気がします。

道中

google mapsより
ということで、伊寧(画像下の「伊犁哈萨克自治州」とあるあたり)から、サリム湖(画像上の「赛里木湖国家级风景名胜区」)に向けて出発です!

市街地を出てしばらくは農地が続きますが、

1時間くらいすると段々と山がちなエリアに入ってきました。

草を食む家畜の姿。に加えて、よーく見たら左側に天幕(ユルタ?)も見えます。

春だからか花をつけた木々も見かけました。

街中の桜のように一面の花というのも良いですが、緑の山にポツポツと咲いてるのもコントラストが綺麗で好き。奈良の山桜もこんな感じなのかな(見たことない)。

巨大な吊り橋。ここからぐるりと大回りして標高を上げ*2

吊り橋に上がります。

天山天池のときも思ったのですが、背の高い針葉樹 + 草地が同じ高度にある、という組み合わせがは日本ではあまり見ない気がします。 amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

遠くには雪をまとった峰々も見えました。これすっきり晴れてたら木々の緑と青空と雪の白で対比が綺麗だったろうなー。

約2時間の乗車で、景区入口に到着です! ここでバスはいったん停車し、窓口で手続きが必要な割引チケット対象者(高齢者)はバスを降りて購入手続きに進み、私含めて残りの面々は車内で待機。がしかし、ここでちょっとしたトラブル発生: チケットを買い間違えたおっちゃんがいて、その対応などあって1時間近く待たされました。。。「永遠に待つわけにもいかないし、期限切って時間すぎたら置いていこう」という話に(wechat groupでバスのスタッフさんが通知)なったのですが、おっちゃんは期限ぎりぎりに戻ってきてセーフ。

景区内

景区内に入った後も引き続きここまで乗ってきたバスに乗りします。 湖をぐるっと一周しつつ要所要所で降りる時間を取る形式でした。

ということで、第1の停車地点。 サリム湖本体とご対面です。

雪をまとった峰々が水面に映し出される様は 4月後半ですが、湖畔にも氷が残っています(後のほうでもっと大規模に氷が残るところも見れます。)。

惜しむらくは曇っていること。晴れていたら青空と氷や雪のコントラストが綺麗だったんだろうなーと想像されます。

水は見事に透明。 地質に詳しい方なら石を見て語れたりもするのかなーと思うのですが、私は残念ながらそちらの知識がない。。。

ついつい湖面に目が行きますが、湖岸に目を向けると、春の訪れを待つ(?)植物も目に入ります。 葉がとても小さいので乾燥や寒さに強い姿なのかなー、これ本格的に春が来たらどうなるんだろうなー、など気になります。

再びバスに乗って次の停車地点に移動します。ちなみに車内からでもかなり眺めが良いです。

ということで2か所目の停車地点に到着。 こちらは湖岸に背丈の高めの植物が生えていて、さきほどの場所とはやや様子が異なる気がします。なんでだろ。

湖面にうすーく氷が張っているのが見えます。 さきほどもこちらでも湖岸に氷が積もっていたのですが、湖面に張った氷が波に運ばれて湖岸に集まるのかな。

さて、バスに乗って次の停車地点に移動するかーと思って駐車場に戻ったら、なんとバスがいません。 まさか置いて行かれたか?と思ったけど、同じバスに乗っていた面々も周りにいたので、それはなさそう。 wechatでグループチャットを開くと、前の地点で置いて行かれた人がいて、その人を迎えにバスが戻ったとのことでした。

待っている間、バスで近くに座っていた青年と話したのですが、なんと山東省から電車で35時間もかけて来たとのこと(参考までに、google mapsで自動車のルート検索すると、伊寧から3000km~4000kmくらい)。 前日の高速鉄道で話したおばさまたちも成都ウルムチ寝台列車で移動したそうなので、中国では長距離(1000km以上)移動のための寝台列車は需要あるんだなー、と思いました。

ということで後続の人も合流して、次の地点に移動です。道中、荒涼とした光景も見えますが、画像検索すると青々とした草原が広がる写真も多いので、春~夏になるとだいぶ違った光景が見えるようです。 そちらも気になる一方、雪をまとった峰々や湖岸に積もった氷などは夏場には見れなさそうなので、ジレンマ...。

3か所目(たぶん)の停車地点。ここでは湖とは反対側、斜面を登る方向に遊歩道が続いていたので、そちらに行ってみることにしました。

地表は枯草...と思いきや、 新芽や花も目にすることができました。

木道が続いているのですが、

上の方は積雪が残っていたので、ほどほどのところで撤収しました。 この雪解け水が湖の水源になってるんだろうなー。

ベンチでリスを発見。やたらと人の近くにいても逃げないなと思ったら、観光客がスナック菓子?で餌付けしていていかがなものかと...。

このへんで体調が怪しくなってきたので、若干記憶があやふや。ということで、旅行記も駆け足でざっと書いていきます:

お次の停車地点のあたり。

移動中の車窓から。湖面も良いけど、草原と残雪の山の眺めも良い。

湖畔で見つけた花。

最後の停車地点(確か)。 ここに来る前に、上で書いた山東省の青年が「もうどこもだいたい景色同じでは?」と言い始めて、ちょっと共感したのですが、ここは氷結した面積が大きく、他とは異なる風景でした。

チケットの購入トラブルもあって最初待たされましたが、なんだかんだ5時間半ほど滞在できて満足。 ということで、18時半ごろに、伊寧に向けて出発。

ところで、ぐるっと一周したのに流れ出る川を見かけないと思ったら、どうやら本当に流出河川がないようです*3

展望台

サリム湖を発った後、帰路で展望台にも停車してくれました。 奥に見える橋は、たぶん今朝も通ったもの。

課金すれば乗馬もできるのですが、景色眺めるだけで満足だったので、しばらく眺めてました。

夕食

伊寧に着いたのは21時半近く(でも新疆時間だと実質19時半)。

体調悪い上に翌日は長距離移動なので、昨日と同じお店でさくっと夕食にします。 お店の人に顔覚えられていたみたいで、笑顔で「又来了」と歓迎してくださいました。

昨日と同じ一品、「羊排揪片子」。 風邪っぽいときは温かいスープ物が身に沁みます。 昨日の反省を活かし、おかわりは断りました。

翌日はいよいよ、人生初の陸路国境越え、バスにのってカザフスタンに向かいます。

amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

*1:片道チケットを購入した場合でも、「追加料金を払えば復路もそのまま乗せてもらえる」旨、出発前に車内で説明がありました。

*2:このへんちょっと記憶が曖昧

*3:百度百科「赛里木湖」https://baike.baidu.com/item/%E8%B5%9B%E9%87%8C%E6%9C%A8%E6%B9%96/1244110 の項で、「赛里木湖湖水支出主要为湖面蒸发及少量渗漏」と記載あり。