2023年シルクロード河西回廊の旅5日目(2023-09-18)の記録です。
この日はがっつり移動で、武威から張掖に移動して少し観光し、張掖から嘉峪関まで向かいます。だいたい500kmくらいの道のり。 張掖の観光地としては丹霞地質公園が有名ですが、今回は時間がなかった+文化/歴史中心の旅のつもりだったので、パスしました。
今回の旅全体のまとめページはこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com
前日の旅行記はこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com
朝食購入
朝8時過ぎの電車*1で、かつホテルから駅までは少し移動するので、6時過ぎくらいに起きました。
朝6時半と早い時間だったのですが、馅饼のお店が営業していて助かりました。 2個買うつもりだったのですが、実物を見せてもらったら思ったより大きかったので、1個だけで。 ナツメ味の豆乳も頼みました(プレーンの豆乳はなかった気がします)。前日の朝の豆乳もナツメ味だったのですが、流行っているのかたまたまなのか。 あわせて9元。
張掖への移動
武威駅まで
駅まではバスで移動しました。まだ7時前なのに、車が多く、バスも大して待たずに乗れました。
あと、学校の制服(ジャージみたいなやつ)を来た若者たちが電動スクーターで駆け抜けていくのも印象的でした。 見た目は中高生くらいなので、免許制度とかどうなってるのか気になります。
駅前、太極剣?に励む人たちがいて、中国を感じます。
買ってきた馅饼を駅前のベンチでいただきました。
ちなみに、ぱっと見たところ、駅すぐ近くには朝食が食べれるお店はあまりなさそうでした。 ただ、高徳地図を見るとちょっと歩けばありそう...?
水をつけた筆で書を書いている方も。ネット上の動画などで見たことはあるのですが、実際に目にするのは初めてかも。
7時半頃に駅に入ります。この日もパスポートを見せるだけで、並ばずとてもスムーズに駅に入れました。
改札は1階と2階とで分かれているので要注意。写真は2階のものです。
待合スペースには、迷彩服を着て巨大な迷彩柄のリュックを担いだ集団がいました。 さすがに写真は撮っていませんが、ワッペンを見た感じだと陸軍の人々のよう。 男性も女性もいて、皆若そう(10代後半から20代前半くらい?)なのが印象的でした。 あと、1人大きな洗面器がリュックからはみ出している人もいて、生活感を感じてじわじわきました。
ほぼ定刻に出発! 一路、張掖に向かいます。
車内
今回は夜行メインの編成のようで、軟座の設定がなく、硬座をとりました。 ちなみにこの区間は今回の旅程で一番チケットがとりにくかったです。本数も少ない上に発売開始後すぐに満席になってしまい、当初は午前2時や3時頃発のものをやむなく予約したのですが、運良くキャンセルが出て、人道的な時間帯の便を取ることができました。
さて、今回の旅で初の硬座なのですが...期待に違わぬカオスっぷりで笑いました。2日前に蘭州から武威まで軟座に乗ったときもそこそこ賑やかだったのですが、こちらはさらに賑やか(婉曲表現)でした。 座席のはずなのに横になって寝てる人もいたり(上の写真にも写りこんでる)。
車窓には乾燥した開けた景色が広がり、西安から遠くまで来たなと感じます。
と言っても、ずっと不毛の大地というわけでもなく、比較的緑が見えるところもありました。
ところで、ボックス席の向かいには(硬座には珍しい?)物腰穏やかな男性が1人で乗っていたのですが、雰囲気に近いものを感じたのか話しかけてきてくれました。
- 武威出身の太陽光発電エンジニアで、実家から職場(瓜州)に戻るところとのことでした。
- 朝見かけた電動スクーターが気になったので話を聞いてみたところ、あれは最高速度を遅くしてあるので、免許不要で、中高生も乗れるらしい。
- ちなみに電動スクーターや電動バスは寒さに弱いので、より暖かい中国南部から先に普及したとのこと。
張掖市街地へ
3時間近く乗車し、目的地の張掖駅にて下車。ちなみに張掖には張掖駅と張掖西駅がありますが、後者は高速鉄道の駅です。
張掖駅は武威駅などとも比べて小さく、駅の周りは「何もない」という表現が適切な印象でした。 市街地まではタクシーで移動します。だいたい20分、15元ほどで市街地についたと思います。
タクシーの運転手からは丹霞七彩をかなり推されて「大佛寺を1時間くらいで見て、お昼食べて、丹霞七彩を見て、見終わったら高速鉄道の駅まで送って行ってあげるよ」とチャーターの営業を受けたのですが、一か所の観光地をゆっくりまったり見たい派としては時間が足りなさそうなのでやめておきました*2。
昼食
ということで、11:30前と若干早めですが、ひとまず観光前にまずは昼食。 張掖名物らしい、「炒炮」のお店にしました。
1人用のセットメニュー(上の写真の左側)もあり、1人旅をしている身としてはありがたい。38元。観光客向け価格か...?
単品は写真のカウンターに(食券をもって?)とりにいく、セットメニューは注文した品が運ばれてくるのを待つ、というシステムでした。 ただ、セットメニューも食券に番号が書かれていて、呼ばれた番号に反応しないと食事が運ばれてこないので要注意。
待つ間、やかんのお茶を飲んで待とうとしたのですが、どうもお茶じゃなくて麺の茹で汁のようです*3。 香りからして、麺の原料には小麦以外の穀物も使われている気がしました。
運ばれてきた炒炮。短めの麺を茹でた後に野菜などと炒めた、あんかけ麺のような料理でした。 味付けは醤油メインの優しい味だったと思います。 各地でいろいろと麺料理があって面白い。
大佛寺(宏仁寺)
こちらの大佛寺、創建は西夏時代に遡る古刹とのこと。 マルコ・ポーロの東方見聞録にも記述が残っており、また、フビライ・ハンの生地としても知られているそうです。 (ここまで、「地球の歩き方」からの情報です。今回の旅の予習・復習では主に漢代についての本を読んでいたので、この時代については歴史系の本から出典を出せず。。。mm)
なお、建物内は残念ながら撮影禁止でした。
入場方法など
予約なしで行きました。
入場券は↑で買います。1人40元でした。
開館時間の情報は上の写真参照。
境内の案内図。
入場口の門。
大仏殿
大仏殿は横方向に長い印象を受けました。と言っても、中に収められているのは涅槃仏なので、横方向に長いのは当然と言えば当然でした。 立派な木造建築ですが、河西地域でこのような大建築をつくるための木材を用意するのは大変なことだったのではないかと想像されます(と思ったのですが、もしかすると昔はここまで乾燥していなかったので樹木ももっとあったという可能性もある...?)。
木組みにレンガ壁、という点は日本の寺院建築と異なる印象を受けます。 また、二重になった垂木のうち、地垂木(下にある方)が断面が円形、飛檐垂木(上にある方が)が断面が角型になっていますね。日本だと平安時代以降のものはどちらも角型が多かった気がします(要出典)。
大仏殿を側面から見たところ。一部のレンガが彩色されていることが見て取れます。
堂内には涅槃仏が鎮座しています。解説パネルによると、長さは34.5mで、(室内にある"木胎泥塑"で作られた涅槃仏としては)アジアでも最大とのこと。 他に、観音や羅漢(たぶん)などの像もあり、壁画も描かれていました。他の団体のガイドの話を聞いた限りだと、壁画は明清時代に描かれたもので、西遊記や山海経に題をとったものもあるとのこと。 「お金を供えないでください」というような趣旨の看板もあったのですが、仏像の前や、涅槃仏の足元に人民元紙幣がたくさん置かれていたのが印象的でした。
芸術館・経典館
芸術館には、主に仏像などの仏教芸術品が展示されていました。
経典館には、仏教経典の数々が展示されていました。 中でも明代の「北蔵」が有名とのこと。
経典館の後ろには仏塔がそびえます。チベット様式...?
山西会館
敷地内には、「山西会館」と呼ばれる建築群もあり、そちらも見てきました。
関帝廟や
舞台などがありました。
解説パネルによると18世前半の創建のようです(ただし、今残る建物がいつの時代のものかは明記されていなかったと思います。) 名前からして山西省出身の同郷者の集まりのために建てられた施設のようですが、どのように利用されていたのかなど気になりました。
街歩き
博物館。月曜は休館日なので、この日は閉まっていました。
万寿寺木塔。釘を使っていない木組の塔だそうです。ただ、20世紀の再建らしいので、私はパスしました。(地球の歩き方情報)
鎮遠楼。残念ながら中には入れないようです。
嘉峪関への移動
17時半頃の電車*4に乗るので、高速鉄道の駅(張掖西駅)にバスで移動します。運賃は確か2元だったと思います。
張掖駅
駅前にレストランがあったので、早めの夕食にしました。 ご当地名物のメニューもあったのですが、お腹の調子がいまいちだったので、あっさりした無難なもの希望、ということでトマト卵炒めご飯にしました。
夕食を終えて駅に入ります。
駅の中では売店で飲み物は買えたましたが、レストランやフードコートなどはなかったと思います。
乗車
午前に鈍行列車の硬座に乗った後に高速鉄道に乗ると「すごい、車内が静かだ...!」と感慨もひとしおです(← ちなみに二等車です。
進行方向左側、遠くに見える山は祁連山脈でしょうか。
心なしか、西安から蘭州のときに比べると揺れが大きかった気がします。 車両が違うせいか、西安蘭州間の方が保線がきちんとしているためか、はたまた私の気のせいか。
嘉峪関市街地へ
約1時間半の乗車で、目的地の嘉峪関南駅に到着しました。
タクシー待ちの長蛇の列に並びましたが、なかなか来ないので、バスか駅の関係者がバスに案内していました。 ということで、私もバスにしました。 なお、終バスが早い(だいたい19時半とか20時くらいとかだったと思います)ので要注意。
ちなみに、駅前はほぼ何もなかったです。
バスを適当なところで降りて、徒歩でホテルに向かいます。 既に夜で外も暗いので、「昨日みたいに宿泊できないとかあったら面倒だなー」と思っていたのですが、さすがagodaで英語のレビューが複数ついているホテルだけあってこの旅で一番スムーズにチェックインできました。