世界史ときどき語学のち旅

歴史と言語を予習して旅に出る記録。西安からイスタンブールまで陸路で旅したい。

敦煌莫高窟の見学手順のメモ(2023年9月版)

2023年9月のシルバーウィークに西安から敦煌を旅しました。 このとき、敦煌莫高窟を訪れたのですが、見学手順が少しややこしいので、実際に体験した手順をメモしておきます。

なお、夏休みや5/1連休、10/1連休、春節などの連休シーズン、また逆にオフシーズンの場合は勝手が違う可能性があります。

このときの旅全体のまとめはこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

莫高窟数字展示中心へ移動

いきなり大事な話 : 莫高窟に直接行っても見学できません。 莫高窟数字展示中心でチケットを購入する必要があります。

数字展示中心は市街地から少し離れています(敦煌駅の方面にある)。 ホテルのスタッフ曰く路線バスでは行けないそうなので、タクシーで移動しました。

チケット購入

上の写真が敦煌莫高窟数字展示中心の入り口で、左側に進むとチケット売り場があります。

莫高窟の通常のチケットは原則として予約制で、WeChatの公式アカウント「莫高窟参观预约网」から予約可能です*1

ただし、外国語チケットは通常チケットとは別枠の扱いで、こちらは当日でも購入できました。 上の写真の窓口でパスポートを見せて外国語チケット買いたい旨伝えれば買えるようです*2。 代金は258元で通常チケットより高め*3

チケット売り場の人には「外国語のツアーは11:30からか午後からしかない」(このとき10時前)と言われたのですが、入り口のスタッフには「とりあえず並んで、中のスタッフに声をかけて」と言われたので、正常参観の入口から並びました。

動画を見る

まず、館内シアターで敦煌莫高窟の紹介動画を見ます。

動画の音声は中国語ですが、シアターに並ぶ前にスタッフに声をかけて外国語チケットを見せると、英語音声のイヤホンを貸してくれます*4

動画は2本あり、それぞれ違うシアターで上映されます。

  • 1本目は敦煌莫高窟の歴史を解説した動画です。中国の時代劇っぽい再現動画でした。
  • 2本目はドームシアターに場所を移し、莫高窟の仏像や壁画などの美術的側面を紹介する動画を見ました。ドームシアターだけあって没入感があり面白かったです。没入感という意味では、座席は後ろのほうがよさそう。

てっきり2本とも同じシアターで見ると思っていたので、1本目が終わった途端に急いで出ていく人たちを見て不思議に思ったのですが、2本目のシアターで良い席を確保するためだったのかもしれません。

バス移動

動画を見終わったら、専用のバスに乗って莫高窟に移動します。

「同じタイミングでシアターで動画を観た人は全員まとめて移動」のような厳密な管理はされておらず、随時来たバスに乗る方式のようでした。 バスに乗る前にお手洗いに行くのも自由。

乗車時間はだいたい15分くらいだったと思います。

莫高窟ガイドツアー

莫高窟に着いたら、参観入出口と書かれたところに並びます。

ここで再度チケットを確認されます。

莫高窟は自由に見学することはできず、公式ガイドに引率されて見学します。 通常チケットの場合は、並んでる間にいくつかのグループに分けられて、担当のガイドからイヤホンを渡されていました。

ここで「日本語ガイドを探してます」と言ったところ、別の場所で待機し、日本語ガイドの方に案内していただきました*5。 通常チケットの場合は複数人*6のグループで周ることになるのですが、このときは日本語ガイド希望者が他にいなかったので、マンツーマンで周るという非常に贅沢な経験ができました。

いくつもある窟の中から、ガイドさんが選んだ窟を見学しました。 どの窟を見るかは事前に決まっているわけではなさそうで、他のグループが見終わったところや、他に誰も見ていないところなど、観光客が分散するように窟を選んでいるようです*7

なお、窟内はいずれも撮影禁止でした。

博物館について

「藏经洞陈列馆」はチケット確認があるエリア内にありました。ガイドさんに見たいと伝えたら、見学ルートに入れていただけました。(通常チケットのグループで見る場合、ここも必ず見学ルートに含まれているかどうかは分かりません。)

展示内容はいわゆる敦煌文書(または敦煌文献)についてのものでした。 展示物はパネルやレプリカがほとんどですが、敦煌文献についての本を事前に読んでいたので、個人的には興味深かったです。

敦煌石窟文物保护研究陈列中心」はチケット確認があるエリアの外にあり、ガイドツアー解散後に自由に立ち寄ることができました。

チケット確認エリア外に、「美术馆」と「院史陈列馆」もありました。前者は壁画関係の展示がメインでした。後者は私は見ていないです。

「藏经洞陈列馆」「敦煌石窟文物保护研究陈列中心」「美术馆」の展示はいずれも原則として撮影可でした。(ただ、「敦煌石窟文物保护研究陈列中心」の石窟のレプリカは撮影禁止だったと思います。)

バスで戻る

石窟や博物館の見学後、バスに乗って莫高窟数字展示中心に戻り、見学終了です。 バスに乗るタイミングは自由でした。

莫高窟の本体の方には(チケット確認エリア外に)レストランがあったので、タイミングがあえば戻る前にここで昼食にするのも良いかと思います。 なお、莫高窟数字展示中心にも軽食を食べることができるカフェがありました。

*1:事前予約を試みたのですが、登録に中国の携帯電話番号が必要で、私はこのときは中国の携帯電話番号を持っていなかったので予約できませんでした。当日は通常チケットは売り切れていたようです。

*2:私の場合は日本育ちの中国籍で、中国パスポートを見せたら最初は「いや、中国人は通常チケットの対象だし、外国語チケットは売れない。」と言われました。ただ、日本の在留カードを見せて日本在住であることを説明したらOKが出て無事に買えました。

*3:なお、2024-01-02時点でWeChatの公式アカウント「莫高窟参观预约网」を確認したところ、オフシーズンの外国語チケットは160元と大幅に安くなっていました。

*4:ただ、中国語の音声の動画を見ながらイヤホンから英語が流れる、という方式で聞きづらいので、私は結局イヤホンを使わずに中国語音声を聞きました。

*5:ガイドの方はすぐ出てきたのですが、常にこうなのか、それとも運よく日本語ガイドの方がいるタイミングで行けたからかはわからないです。

*6:あんまり真面目に数えていないのですが、たぶん10人くらい?

*7:ガイドさんが次に見学する窟を決める際に少し逡巡するようなそぶりがあったことからの推測です。