2023年シルクロード河西回廊の旅11日目(2023-09-24)と12日目(2023-09-25)の記録です。
今回の旅全体のまとめページはこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com
前日の旅行記はこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com
朝食
今日も朝食はホテルビュッフェにしました。
おかゆと咸蛋があるのがいかにも中国で良い。
移動
ホテルを出て、雨降ってて寒いし、地下鉄2本とバスを乗り継ぐのが面倒だなーと思っていたところ、ちょうど目の前をタクシーが通りがかったので、タクシーで兵馬俑に向かいました。西安鐘楼近くから兵馬俑博物館まで、だいたい1~1.5時間で、147元でした。
タクシー運転手さんとは道中いろいろと話したのですが、陝西への郷土愛が強い方のようでいろいろと面白い話が聞けました。
- 「陝西の人は異文化を受け入れるし、西安は国際都市」と言われた。南アジアからの留学生が多いらしい。主に医学。
- 「陝西人は外からの客人を歓迎してもてなす」と話していて、対照として北京や上海をdisっていて苦笑しましたw 「道を聞いたら、陝西省の人は詳しく優しく教えてくれる。北京の人は舌を巻いた訛でまくしたてるだけ。」「レストランに『5人で入れますか?』と訊いて、上海だったら『ダメ、4人の席しかない』と四角四面に断られることもあるけど、陝西なら融通して入れてくれる」とか。ほんまかいなw
- 「日本で生まれ育ったのになんでそんなに中国語話せるの?」と言われたのは嬉しかったです。
9:30頃に兵馬俑博物館に到着しました。
秦始皇帝陵博物院
概要
- 公式webサイト : https://www.bmy.com.cn/index.html
- 秦始皇帝陵博物院は、「秦始皇兵马俑博物馆」と「秦始皇陵考古遗址公园」(高德地图などでは「丽山园」とも)の2か所からなります。前者が兵馬俑を展示している場所で、後者が陵墓本体です。両者の間は少し離れていますが、シャトルバスで移動できます。
- チケットは前日に予約していきました。お代は120元。中国の身分証は不要で、パスポート番号で登録可能。ただし、中国の電話番号が必要でした*1
- なお、当日朝確認した時点でもまだチケットの枠には1000枚近く余裕がありました*2。タクシーの運転手いわく、この時期は当日でも買えるとのことで、実際、紙のチケットを持っている人もいました。
- 入場時は、パスポートを機械にあてて画像認識で通りました*3。
- 門の外で「ガイドいりますかー?」と声をかけてくる人が多いのですが、一方で「野良ガイドに注意」みたいな放送も流れていました。私は公式の音声ガイド(30元)を借りました。
兵馬俑博物館
雨の日ですが、朝からかなりの人混みです。ただ、この日は日曜日だったので、平日ならもう少し空くかもしれません。 一応の手荷物検査があり、上にも書いた通り予約済みだったので、パスポートをスキャンして入りました。
案内図を見ても分かる通り、入場ゲートからまで兵馬俑本体までそこそこの距離を歩きます。 これはもしや繁忙期の行列を収めるためのバッファー...?
1号坑
まずは一番大きな1号坑に行きました。
内容の前に、混雑について : 当たり前かもしれませんが、3つの坑の中で、ここが一番混んでいました。 たぶん兵馬俑より人間の方がはるかに多かったと思います。 ガイドに引率された団体客が多いので、団体客が去っていくときにスッとその位置に入ると最前列を確保しやすいです。 また、他の坑を見た後に1号坑にはもう一度来たのですが、昼時は朝よりは空いていました(下の写真はほとんど昼時に撮ったものです)。 ただ、そもそも土日に来るのは避けた方が良いかもしれません。 なお、ガイドさんが話している内容を聞いたところ、平日の中では月曜が比較的混んでいるらしいです*4。
で、無事に人混みを抜けると、目の前にはなんとも壮大な眺めが広がります。 写真では見たことがあるのですが、実物のスケール感は圧巻ですね。
とんでもない財力と権力や。。。
よーく観察すると、みんながみんな鎧を身に着けているわけではないことが見て取れます(手前の人々は鎧なし)。 また、馬のすぐ後ろの2人は、立派な冠のようなものを被っていることが分かります。たぶん士官とかでしょうか。
俑の足元は板状になっています。 音声ガイド情報によると、俑が重い(1体で100~300kg)ので負荷分散と安定のためではないか、とのこと。 また、この板の発掘時の向きが、兵馬俑の立っていた向きを明らかにするのに役立つそうです(これも音声ガイド情報)。
実はきれいに並んでるのは手前半分*5くらいで、残りのスペースでは修復などが行われているようでした。
3号坑
続いて、3号坑に。
1号坑と2号坑に比べると規模は小さかったです。 ここは軍団そのものではなく司令部と見られているそうです*6。
言われてみると、兵馬俑の配置が、隊列と言うよりかは歩哨に近いかも...?
2号坑
最後に、2号坑に。
解説パネルにも明言されていましたが、こちらはまだ発掘中です。 くぼんだ部分の下に兵馬俑が埋まってるのかなー、と想像。
なお、ついつい中央の発掘現場に目が行ってしまったのですが、上のスペースにはいくつかの兵馬俑が展示されており、ガラスケース越しながら間近で見ることができました*7。
博物館(陈列厅)
敷地内には陈列厅もありました。時期によって展示は変わるようです。
このときは跪射俑と立射俑を1体ずつとりあげて詳しく解説し、間近で観察できるようになっていました。
鎧の造形が細かくてすごい。ちなみに、「朝」のような文字がさかさまに彫られているのが見えますが、解説パネルによるとこれは製作担当者の名前だそうです。
後ろに回ったところ。髪の結び方がなかなか複雑。
靴の裏がまっ平じゃないのは、滑り止めか何かでしょうか。
食事について
敷地内には小さな飲食店があり、そこで簡単な昼食を摂りました(写真は撮りそびれました。)。
また、出口に向かう途中には多数の飲食店やお土産屋などが立ち並んでいました。
たぶん、敷地内で食べるよりもこっちで食べたほうが良かった気がします。
麗山園
移動
兵馬俑博物館の出口を出て少し歩くと、シャトルバスが乗り場あります。 発車タイミングが決まっているかはよくわかりませんが、私が並んだときは大して待たずに発車し、10分もかからずに陵墓本体(麗山園)に着きました。
麗山園の敷地はとても広いので、全て歩きだと大変だと思います。
散在する見どころを結ぶように電動カードが走っているので、これを利用するのがおすすめです。 有料で、代金は15元でした。
百人俑
K9901と名付けられた陪葬坑。
兵馬俑博物館の俑は軍隊の俑でしたが、こちらではまた違った姿の俑が展示されていました。
何やら変わった衣装を身に着けた俑で、いったい何をする人を再現したものなのか気になります。
銅車馬博物館
続いて電動カートで、敷地内の銅車馬博物館に。 ここでは始皇帝の副葬品の中でも有名な、青銅製の馬車を展示しています*8。
冒頭は解説系の展示が多く、
出土当時の様子を示したパネルなどがありました。 出土時は破片になっていたのをつなぎ合わせて修復したとか。
で、こちらが肝心の馬車。 麗山園は空いていましたが、ここだけはすごい人だかりでした。 2台あるうち、写真奥のものはレプリカでした。
これは複製じゃないほうの馬車。 よくぞここまで綺麗に修復したものです。
後ろから。馬車の背面にドアがあり、ここから乗り降りしていたようです。 あと、よく見たら、馬のしっぽはもしかしたら邪魔にならないように束ねられているのかも...?
当時の馬車の技術的側面を紹介した展示もあり、興味を惹かれました。 思えば2000年以上前の馬車が*9綺麗に残っているわけで、往時の技術を知る手掛かりとしてとても有用そう。
陵墓本体
最後に、陵墓本体も見てきました。 このくらい離れたところから見ると規模感がすごい。
陵墓そのものはほぼ山と言ってよく、近くで見ると森にしか見えません。
発掘はされていないそうです。発掘技術が進んでから発掘するらしいと聞きました。
なお、電動カートは通常はここには止まりません。 言えばおろしてくれますが、ここで乗車はできないので、降りた場合はここから入場ゲートのあたりまで自力で歩くことになります。 ほとんどの観光客はここではカートを降りず、素通りしていました。
ホテルへの移動と夕食
シャトルバスで兵馬俑博物館に戻ろうとしたのですが、バスがなかなか来ないので、居合わせた人と割り勘して白タクで地下鉄駅まで移動しました。 そこから地下鉄で空港まで行き*10、さらにタクシーで空港近くのホテルに移動しました。
なお、空港のターミナル(T3)内に上の写真のカプセルホテル(?)があったので、ここに泊まった方が移動なしですぐチェックインに向かえるので楽だったと思います。
夕食はホテル近くのお店で臊子面と肉夹馍にしました。
待っているときに気づいたのですが、上の写真の通り、レジ奥に「内有凶猛厨师...请耐心等候!!!」という注意書きががあって笑いました。 ぶっちぎりで、今回の旅の面白中国語ナンバー1。
帰国
翌朝、ホテルの送迎で西安咸陽国際空港に移動しました。
保安検査後にの国内線出発エリアです。 朝食は出発ゲート近くで食べました*11。
国内線で上海に飛び、そこから日本に帰国しました。