2023年秋の西安から河西回廊の旅で、甘粛省武威の街に2連泊しました。 あまり海外からの観光者が多い街ではないと思うのですが、コンパクトながらも見どころがいくつもあり、街歩きも楽しめる街だったので、個人的にはおすすめです。
この記事には観光地の情報(公式webページへのリンク、開館時間情報、入場料、予約要否など)を書き、実際に行った時の様子や細かい見どころ、感想などは別途旅行記に記載します。
注 : ここに記載するのは筆者が訪れた2023年9月時点での情報です。また、筆者が武威を再訪しない限りは更新の予定はありません。
2023年秋の西安から河西回廊の旅そのもののまとめページはこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com
武威に滞在したときの旅行記はこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com amber-hist-lang-travel.hatenablog.com
要約
- 蘭州から鉄道(鈍行)で片道3時間くらいで行けます。
- 市内に地下鉄はありませんが、路線バス網が充実しており、徒歩以外は主にバスで移動しました。
- 西夏博物館、文廟、南城門楼は互いに近くにあり、徒歩圏内。雷台漢文化博物館と武威市博物館は、これらとは離れています。
観光地情報
西夏博物館
- 公式webサイト http://www.wwxxbwg.com/
- wechat公式アカウント「武威市西夏博物馆」もあります。
- 月曜定休。詳しい開館時間は上記の公式webページ参照。
- 入場無料。私が行ったときは予約せずに入れました。入場時は守衛の方に一声かけて、機械でパスポートをスキャン+顔写真の撮影、という手順だったと思います。
- 武威文廟すぐ向かいにあります。
名前の通り、西夏を主題にした博物館です。あまり大きい博物館ではなく、また展示品には複製品やパネル写真も多いのですが、西夏の歴史や文化を概観できて良かったです(解説パネルは中国語です。)。
一番有名な所蔵品は上の写真の石碑で、一面に西夏文字、もう一面に漢字が刻まれています。 個人的には、活版印刷についての展示が特に興味深かったです(北宋は木版印刷が主流だったと思うので。)。
武威文廟
- 公式サイト、公式wechatいずれも見つけられませんでした。参考までに、ctripのページはこちら https://you.ctrip.com/sight/wuwei290/11067.html
- 入場料30元。予約せずに行って入れました。
- 武威西夏博物館のすぐ向かいにあります。
思った以上に見どころが多く、数々の石碑や、古くは康熙年間にさかのぼる数々の扁額など、歴史の積み重ねを感じました。 また、 緑豊かで落ち着いた空間で、屋外にも石碑が散在するなど、散歩するだけでも良いところでした。
公式でガイドツアーもやっているようですが、詳細は確認していません(私は参加しなかったのですが、横で少し解説を聞いたりしました。)
武威市五涼文化博物館/南城門楼
- 公式サイトや公式wechatアカウントは見つけられなかったのですが、参考に、ctripのページはこちら。https://you.ctrip.com/sight/wuwei290/4582018.html
- 月曜定休のようです(未確認)。
- 入場無料。予約せずに行って入れました。大陸居民身分証などがある人はカードをかざすだけで入っていましたが、私は紙に名前とパスポート番号を記入して入りました。
- 西夏博物館や文廟から歩いて行ける場所にあります。
楼閣は2001年に再建されたもので、城壁を登って楼閣の中に入れます。 中は博物館で、魏晋南北朝時代の涼州(前涼から北涼まで)の歴史と文化について展示しています。 「中原の戦乱を横目に涼州が中原の文化をよく保ち発展させ、後の中国文化に影響を与えた」というのが主題のようです。展示はレプリカとパネルが多めだった気がします。
なお、城門前は広場になっており、私が行ったとき(9月中旬)は夜には憩いの場となり賑わっていました。(昼間は日差しが強くて暑いので。)
雷台漢文化博物館
- 公式webサイトは見つけられなかったのですが、wechatに公式アカウント「武威市雷台汉文化博物馆」があります。
- wechat公式アカウントの情報では、定休日なし、9時~18時開館(最終入場17:30)。
- 入場料45元。予約せずに行き、当日その場で入場券を購入しました。
- 西夏博物館/文廟/南城門楼からはやや離れた場所にあります。バスでアクセスするのが便利かと思います(バスについては後述)。なお、正面入り口は敷地の南側です(高德地图を使ったときは西側に誘導されました)。
漢代の墓を中心として整備されたエリアです。敷地内には、雷台観(道教寺院。この地下から)、漢代の墓、2つの博物館(1つは「漢文化陳列館」、もう1つは涼州詞の博物館)などがあります。
墓室の中にも入れます。(崩落防止の為、補強済み。)
甘粛省博物館の有名な青銅製の馬も、ここ出土のものです。 甘粛省博物館を訪れたときの旅行記はこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com
なお、ここの東隣は「汉唐天马城」と呼ばれるテーマパーク?として新しく整備されていました。どうやら歴史に題材を取ったショーなどが見れるようです(詳細未確認)。
武威市博物館
- 公式サイト : http://www.wwsbwg.com/
- wechat公式アカウント「武威市博物馆」もあります。
- 月曜定休。詳細な開館時間については上記webサイトなど参照。
- 入場無料。予約せずに行き、当日入場時にパスポートをスキャンして入場しました。
- 西夏博物館/文廟/南城門楼からはやや離れています。私は雷台博物館からバスで向かいました。周りは市政府の建物などがあるエリアのようです。繁華街からは遠いので飲食店も少ないです。
かなり新しい博物館で、施設は甘粛省博物館よりも立派だと思います。武威に行くならイチオシです。 展示は大まかに3つに分かれていたと思います*1 : (1)河西地域の歴史を先史時代から清まで一通りさらう展示(これがメイン。漢と唐のあたりに力が入っていた気がします。)、(2)天梯山石窟を取り上げた展示、(3)テーマ展示室?(私が行ったときは海南島の黎族の織物や服飾の展示をしていました)
(1)だけを見たのですが、それでも2時間半くらい滞在しました。個人的なハイライトは、漢代の木簡と、唐代の墓誌が並んだ展示。
博物館公式のガイドツアー(中国語, 所要時間は1時間未満)もあり、途中から混じって解説を少し聞きました。
その他
武威を訪れる前に調べたものの、実際には行っていないスポットについて:
市街地近辺だと、他には鳩摩羅什寺や海蔵公園などが観光地として知られているようです。 また、郊外まで足を延ばせば、天梯山石窟と呼ばれる石窟寺院もあるとのことです。
詳しくはctripのページなど参照 : https://you.ctrip.com/place/wuwei290.html
食
涼州市場
南城門楼の北西方向、道のりでいうと1km近く歩いたところにある、アーケード商店街?のようなところです。
地元の名物料理(たぶん)を推している店から全国チェーンのお店まで様々なお店があり、食べるところには困らないと思います。 最初は観光客向けかと思ったのですが、値段はかなり良心的で、後で地元の方(張掖に向かう電車で隣だった)に聞いたら「安いし地元の人向けのところですよ」と言われました。
明清街夜市
南城門楼のすぐ近くにあった屋台街です。城門の南側から、東方向に延びていました。 名前が「夜市」なので、昼間は営業していなさそう。 いつもやっているのかどうかは分からないですが、私が訪れたときは土日ということもあって、大繁盛でした。
交通
他都市からのアクセス
鉄道
市街地の南にある武威駅(武威站)が利用できます。 私は蘭州から鈍行で3時間ほどかけて行きました。また、張掖や嘉峪関方面からもアクセスできます。 なお、調べた範囲では高速鉄道は止まらないようです。(そもそも高速鉄道が通らない線のようです。)
駅から市街地中心部には路線バスでアクセスできます。 駅前から北東方向に伸びる通りの右側(西凉大酒店があるあたり)に乗り場があります。 道路の混み具合や市街地のどこに行くかにも依りますが、15分~30分程度で着いたと思います。 路線バスの乗り方については後述します。
長距離バス
鉄道駅近くに「武威客运中心」(長距離バスターミナル)があります。
ただし私は利用していないので、詳細は分かりません。
市内移動
地下鉄はないものの、路線バスが充実していました。 高德地图で検索すれば乗るべき路線はすぐわかるので、特に路線図などを把握していく必要もなく、便利でした。
バス停には、上の写真のようなパネルが表示されており、路線ごとに次のバスがあと何駅前まで来ているかなどが分かりとても便利でした(写真の「距离本站」とある部分。ただし、写真は始発駅で撮ったものなので、「起点站」とだけ表示されています。通常はここに「あと何駅」と表示されていたと思います。)。
車両前方から乗車して、乗車時に運賃を支払う方式です。 運賃は(少なくとも私が乗った路線では全て)乗車距離に依らず1元で、現金で支払いました。地元の方はQRコード支払いで乗車している方が多かったです。(「AlipayやWechat payのQRコードを見せればそのまま乗れる」というわけではなく、乗車用のQRコードの設定が必要なようです。)
少なくとも私が乗ったものについては、全てのバス停に停車していたので、「降りるバス停の前でボタンを押す/降りることを運転手に伝える」などは必要はありませんでした。
*1:きちんと案内図を撮ったわけではないので、若干うろ覚えで自信がありません。