世界史ときどき語学のち旅

歴史と言語を予習して旅に出る記録。西安からイスタンブールまで陸路で旅したい。

福建土楼を個人で旅したい人のためのガイド/旅行記

本記事は2018-05-13に執筆した記事を引っ越したものです。記事内の情報は執筆当時のものであり、2023年時点での情報ではありません。

ゴールデンウィークに厦门(アモイ)に親戚を訪ねたついでに、福建土楼を旅してきました。

福建土楼とは、辞書的に述べるなら「福建省に移住した客家の人々が、外敵から身を守るために築いた、堅牢な集合住宅」と言ったところでしょうか。 ですが、百聞は一見にしかず。外から見ると、写真のように堅牢な造りの要塞:

しかし、門をくぐると、中は円形に連なった集合住宅*1

この独特な造りとそれらの体現する生活様式から、2008年には(これらの一部が)世界遺産にも登録されています*2

日本からのツアーや厦门(アモイ)発着の日帰りツアー*3もあるものの、これまた「マイペースに個人旅行でまわりたい!」という筆者は自力でまわることにしました。やはり日本語での情報が極めて少ないので、今回の準備や旅で得た情報を、備忘録も兼ねてまとめておきます。

重要な点だけを最初に書くと

  • 観光地とはいえかなり田舎なので、中国語ができないと苦労するかと思います*4
  • WiFiと中国地図アプリ(百度地图など)は必須。Google mapsは(接続制限の問題以前に)、そもそも情報が間違っているところもあった*5のでやめたほうが無難かと思います。
  • 「土楼」は有名なものだけでも、かなりの数のものがかなりの広範囲に点在しています。しかも、公共交通ではアクセスが困難なものが多数。観光は計画的に。

今回の旅にあたっては、「地球の歩き方」と、中国語のwebサイトもろもろの情報を参考にしました。

www.hanmoto.com

1. 福建土楼はどこにあるか

まず「福建土楼」の大まかな分布を見てみましょう。次の地図に載せたのは、「地球の歩き方」に掲載されている主だった土楼群です。

地図からも分かるとおり、

  • 福建省の大都市厦门(アモイ, 現地読みではxia men)に近く、日本から訪れる場合はここを経由するのが便利かと思います(この点については「4. アクセス/現地移動」の節で後述します)。
  • 主な土楼だけでも広い範囲に分布しており、また、公共交通によるアクセスが困難な地域が多くなっています。

ということで、観光は計画的に。「具体的にどの土楼を回るべきか」という点については「3. どの土楼に行くべきか: 各土楼群について」の節で後述します。

なお、筆者が訪れたのは「永定土楼」*6なので、この記事では田螺坑土楼群景区と大地土楼群景区についてはあまり詳しくは述べません。

2. いつ行くのが良いか

結論から言うと、筆者もよくわかっていません。。。ということで、参考になりそうな情報を載せておきます:https://www.tianqi.com/qiwen/city_yongding/

  • 福建省にあることもあり、冬もあまり寒くなりません。
  • 筆者は4月末から5月頭に訪れました。その際は天気は良かったものの、本来この時期は雨季のようです。

5/1と10/1近辺の連休は混雑が予想されるので、避けたほうが無難かとは思います*7

3. どの土楼に行くべきか: 各土楼群について

さて、ここが一番大事。「たくさんある土楼のうちどこに行くか」を決めるための情報です。ここでは、「地球の歩き方」に記載のある土楼群のみを取り上げます*8

筆者としては、訪れる土楼群を選ぶためのポイントは次の2点かと思います。

  • 2階より上に上がれるか否か:筆者としては、上に上れる土楼を少なくとも1箇所は訪れるのをオススメします。というのも、土楼は上から全体像を眺めてこそ、その魅力が感じ取れると思うからです。観光客が集中するエリアの土楼は上れないものが多い点に注意。ただし、その土楼に宿泊すれば上に上がれるようです。宿泊については「5.2 宿泊」で後述します。
  • 徒歩などで回れるかどうか:そうでない場合は車やバイクタクシーのチャーターが必要になります。 

3.1 洪坑土楼群景区/永定土楼民俗文化村

振成楼。1912-1917年に建造された土楼で、別名「土楼の王子」

地球の歩き方」では「洪坑土楼群景区」、現地では「永定土楼民俗文化村」と呼ばれる、比較的狭い範囲に数十もの土楼が集中した区域です。中国国内からの観光客も数多く、筆者が訪れたときも大変賑わっていました。

また、ここは福建土楼の観光拠点という性格も持ちます。というのも、長距離バスの発着場がこの土楼群のすぐ傍にあり、かつ、その近辺に宿/レストラン/車やバイクのチャーターの手配を行うお店が集中しているからです。

入場料は90元ですが、後の高北土楼群景区とセットチケットがあり、確か120元だったと思います。

地球の歩き方にもありますが、主な見所は振成楼*9、福裕楼、奎聚楼など。

Pro : 

  • 徒歩で回れる範囲内に多くの土楼が集中しているため、着いてしまえば自力で見て回ることができる。
  • 様々な様式の土楼が建っており、それらを比較することができる。
  • 観光客向けの整備が比較的行き届いている。

Con: 

  • (少なくとも振成楼は)土楼の2階より上に上がることが原則として禁止されている*10
  • 観光客が多い*11
  • かなり商業化されており、物売りや客引きが多い*12

3.2 高北土楼群景区 

洪坑土楼群景区から程近い(といっても数km程度あるのでバスなどが必要)土楼群です。こちらには、直径70mを超える巨大な土楼「承启楼(承啓楼)」(またの名を「土楼の王」)があり、主な見所となっています。

pro/conは上述の「洪坑土楼群景区」と同様です。承启楼(承啓楼)は上に上がれませんでした。

3.3 南渓土楼群

振幅楼。こんな感じで川沿いに土楼が点在しています。

洪坑土楼群景区から南西に数km行ったところにある土楼群です。筆者が行ったときは洪坑土楼群景区で車のチャーターを手配しました。主な土楼3つ(振幅楼、衍香楼、环极楼)を見て、移動と観光で全部で2時間程度でした。

Pro

  • 土楼の2階より上にも上れる(4階からの眺めは壮観でした。)
  • 観光客が前の2つの土楼群に比べると少ない。その分商業化されていない。

Con

  • 距離があるため、車かバイクタクシーのチャーターが必要。
  • ここの土楼はぽつぽつと点在しているため、「土楼がたくさん集まった光景を見たい!」という場合は不向き(この場合は次の初渓が良いと思います。)。

3.4 初渓土楼群景区

南渓からさらに南西に10-20km進んだところにある土楼群です。500m四方に満たない土地に(世界遺産に登録されたものだけでも)9棟の土楼が集中しています*13。なお、ここは筆者は訪れていません。

Pro

  • 狭い領域に土楼が集中しているので、いったん着いてしまえば歩いて見て回れる(恐らく)。
  • 観光客が前述した土楼群に比べて少ない。
  • 比較的綺麗に整備された土楼ホテルが存在する(「宿泊」の節で後述)。

Con

  • 永定土楼民俗文化村からかなり離れている(往復と観光で4時間程度とのことでした*14。)。

3.5 田螺坑土楼群景区

ここまで紹介した土楼群はいずれも「永定土楼」と総称されますが、田螺坑土楼群はそれとは別の「南靖土楼」と呼ばれるエリアにあります。4つの円楼と1つの方楼が並び立つ姿が有名で、主に外観を楽しみたいならオススメとのことでした*15

筆者は主に永定土楼を訪れたので、こちらについては詳細な説明は割愛します。

3.6 大地土楼群景区 

こちらは更に別の地域にある土楼群で、ここまでの土楼群から大きく離れています。

同じく、こちらについても詳細な説明は割愛します。

アクセス/現地移動

ここでは、厦门を経由して「永定土楼民俗文化村」を起点に「永定土楼」を訪れる場合のアクセス方法について述べます。田螺坑土楼群景区や大地土楼群景区はルートは異なります。また、初渓土楼群景区は下洋を経由する方法もありますが、ここでは扱いません。

4.1 日本から厦门へのアクセス

厦门(アモイ)の廈門高崎国際空港(XMN)には成田国際空港関西国際空港から直行便が出ていますので、これを利用するのが良いと思います。航空会社は以下の通り:

筆者は成田から全日空の便で行きました。所要時間は4時間程度でした。

4.2 厦门から永定土楼へのアクセス

ここが一番難易度の高いところ。筆者の知る限りでは2つの方法があります:

  • 厦门から長距離バスで永定土楼(正確には永定土楼民俗文化村)まで直接移動する。
  • 厦门から龙岩(龍岩)まで高速鉄道で移動し、龙岩から長距離バスか車で永定土楼まで移動する。

いずれの方法でも3-4時間程度の移動時間が見込まれます。後者のルートはやや遠回りでお金もかかりますが、高速鉄道の方が運行スケジュールは正確かと思います。

4.2.1 龙岩を経由するルート

厦门北站(アモイ北駅)から高速鉄道に乗り、1時間ほどで龙岩(龍岩)に到着します。高速鉄道の切符は繁忙期だと早くに売り切れるので、web上で早めに予約した方が安全です*16。ctrip*17から簡単に予約ができます。

https://jp.trip.com/

厦门北站(アモイ北駅)は厦门(アモイ)の島の外にあることに注意。島内のホテルからは30分-1時間かかる可能性があります。また、中国の鉄道に乗る場合は手荷物検査などもあるので早め(出発時刻の30分程度前)に到着したほうが無難だと思います。

龙岩(龍岩)からはバスかチャーターした車で移動することになります。バスの場合は鉄道駅からバスターミナル(市内に2つあるので注意。)への移動が必要だったことに加え、時刻表も良く分からなかったため、筆者らは鉄道駅前から車をチャーターしました。80km程度の道程で、2時間、270元かかりました。

バスの方がはるかにお安くすみますが、時刻表は事前に調べても良く分かりませんでした。。。*18 龙岩からバスに乗る場合はこちらのサイトが参考になるかと思います。

https://watarigarasu.net/2017/03/07/longyan_to_tulou/

4.2.2 厦门から直接バスで行くルート

筆者らは利用していないのですが、永定土楼でお会いした日本の方によると、厦门から3時間程度で着いたとのことでした。

4.2.3 永定土楼民俗文化村の到着地についての注意事項

バスの終点まで乗ると、永定土楼民俗文化村のチケット売り場からは遠いところに着いてしまいます。こちらにもそれっぽい門はあるのですが、チケットを持っていないと入れないようです(詳細はこちらのブログ記事が参考になるかと思います。)。

チケット売り場に直行したい方は、事前にチケット売り場の辺りで下ろしてもらうように運転手さんにお願いしたほうが良いかと思います。

ただ、終点は長距離バスの発着点だけあって、レストランや車のチャーターの業者が集中しているので、永定土楼民俗文化村を後回しにする場合は、ここから始めるのも便利です。

4.3 現地での移動

永定土楼民俗文化村近辺を起点にすることを想定して書きます:

  • 永定土楼民俗文化村 : 徒歩で回れます。チケット売り場から見所までがやたら遠い(1-2km程度)のですが、電動カート(有料)もあります。
  • 高北土楼群景区  : 永定土楼民俗文化村からバスがあり、10元で乗れて10分程度で着きます。がしかし、便数は1時間に1本程度だそうです*19。筆者は車のチャーター業者にお願いし、片道30元で送ってもらいました。ドライバーの方はいったん戻り、筆者が帰りたいときにもう一度呼び出して迎えに来てもらうという形式でした。
  • 南渓土楼群 : 車またはバイクタクシーのチャーターが必要になります。筆者の場合は車のチャーターをお願いして、2時間強で3つの見所の土楼+展望台を見て回りました。費用は往復の車のチャーター代(200元程度)とチケット代(詳細忘れた...)を含めて、2人で360元でした。見所の土楼が広い範囲に点在していることもあり、ドライバーさんも土楼を一緒に回って、適宜質問したり解説してもらったりという具合でした。
  • 初渓土楼群景区 : 車またはバイクタクシーのチャーターが必要になります。地球の歩き方によると、車なら往復で300元が相場とのこと。業者の方によると、往復と観光で4時間程度とのことでした。
  • 田螺坑土楼群景区 : 厦门から直接訪れる場合は南靖を経由するのが良いようですが、永定土楼民俗文化村からも行くことができ、車をチャーターして往復200元程度のようです*20

5. 日程/宿泊

5.1 日程

いくつの土楼群を見るかにもよりますが、日本からだと最低でも3日*21、できれば4日はあったほうが良いかと思います。せっかくなので1日足して厦门(アモイ)の鼓浪屿(コロンス島)などの観光もセットにつけるのもおすすめです。

主要な土楼群の所要時間はざっと以下の通りです: 

  • 永定土楼民俗文化村/洪坑土楼群景区 : 2-4時間程度(筆者は主要な土楼3つを少し駆け足で見て、2時間程度でした。)
  • 高北土楼群景区 : 2-3時間程度(上に同じく、筆者は主要な土楼3つを少し駆け足で見て、2時間程度でした。)
  • 南渓土楼群 : 2時間程度(永定土楼民俗文化村までの往復も含めて。)
  • 初渓土楼群景区 : 4時間程度(永定土楼民俗文化村までの往復も含めて。ただし、筆者は行っていないので、ドライバーの方の話。)

また、日帰りツアーの団体客が多くなる10-14時頃が最も混雑するとのことでした*22ので、人気のある土楼を訪れる場合はこの時間をはずすと良いかもしれません。

5.2 宿泊

龙岩(龍岩)のホテルについては地球の歩き方に記載が複数あるので、ここでは主に永定土楼近辺の宿について書きたいと思います。

調べた限りでは、宿は以下の3種類に分類できるかと思います: 

  • 比較的高価格帯なホテル : この近辺では恐らく, 客家土楼王子大酒店( ctrip ) のみかと思います。2人部屋で1泊6000円程度*23かかりますが、その分設備は大変良いです(筆者はここに泊まりました。)。
  • 1泊100元程度の廉価な宿 : 永定土楼民俗文化村のバス発着場所近辺に多数あります。日本の基準で水回りの清潔さを求める方には向かないかもしれません。
  • 土楼 : なんと、いくつかの土楼には泊まることができます。「土楼に泊まる」という経験をしてみたい方には非常に良いと思います。また、通常は2階以上の立ち入りが許されない土楼でも、宿泊すれば入ることができます。ただし、防音に難があったり、トイレが1階にしかない土楼などもあります(この場合も、日本基準の水回りの清潔さを求める方には向かないかも。)。気になる方は事前に調べて/問い合わせておいたほうが良いでしょう。

泊まれる土楼でかつwebから予約できるものをいくつか紹介します。

  • 永定土楼侨福楼客栈 : 高北土楼群景区の中にある土楼です。airbnbの口コミによると、客室とバスルームは別とのことです(恐らく、1階にあると思われます。)。
  • 福裕楼常棣客栈( ctripagoda ) : 永定土楼民俗文化村の中にある土楼です。中国語版のctrip(携程网)のページの口コミを見た限りでは洋式の水洗トイレがあるようでした(共有のものかどうかは分かりませんでした。)。
  • 龙岩永定初溪土楼余庆楼客栈( ctrip ) : 初渓土楼群景区にある土楼です。こちらは日本から泊まった方の記事によると、きちんと個別にシャワー/トイレを備えた客室があり、テレビやエアコンもあるとのこと(ない部屋もあります)。 「設備のレベルはほぼビジネスホテル」という趣旨の口コミもありました。

他にも、いくつかの土楼で「今日部屋空いてます」という看板があったり、「土楼に泊まってみないかい?」と声をかけてくる住人もいたので、案外泊まれる土楼は多いようです。

6. 旅行記

以上を踏まえて、筆者の実際の旅の様子を最後にざっと述べます。

6.1 1日目

全日空の直行便で成田国際空港から廈門高崎国際空港に移動。14時頃に着。

この日は親戚の家にお邪魔し、厦门の厦门牡丹国际大酒店(Peony International Hotel : ctrip)に宿泊しました。

旅行で行かれる場合は、空港から高速鉄道の駅に移動し、龙岩(龍岩)に宿泊するのも良いと思います(翌朝早くから土楼に行け、混雑を回避できるので。)。

6.2 2日目

6.2.1 移動

土楼に向けて移動。朝7時半に厦门北站(アモイ北駅)を出る高速鉄道に乗るため、6時に起きてタクシーで厦门北站に向かいました。もっと駅へのアクセスが容易なホテル(BRTや地下鉄の駅の近くなど)にしなかったことを若干後悔。。。なお、高速鉄道の切符は10日ほど前にctripからオンライン予約しました。

厦门北站(内部)。まるで空港のような規模。
龙岩(龍岩)まで1駅、1時間と少しでした。龙岩(龍岩)の鉄道駅の前から、タクシーをチャーターして永定土楼民俗文化村に向かいます。おおよそ2時間で270元でした。ちなみに、

運転手さん「せっかく遠くの土楼まで行くし、こっちはこっちで観光したいから、ついでに奥さん乗せて行っても良い?」

筆者「え? ええ、もちろん」

ということで、筆者ら + 運転手さん夫婦、というなかなか面白い道中になりました。こういうゆるさはけっこう好き。

なお、道中でも既にちらほら土楼が見えます。

6.2.2 午前:  南渓土楼群

永定土楼民俗文化村到着後、早速「どこ回るの? 決めてない? なら、まずは地図を見てみるのが良いよ」と声をかけてきたおじさまにほいほいと着いていき、そこで南渓土楼群の案内を手配してもらうことになりました*24。車のチャーターと少し解説つき。主な土楼3つ(振幅楼、衍香楼、环极楼)に加えて、いくつかの土楼を上から眺める展望台も回って、所要時間約2時間、チケット込み360元(2人)でした。

振幅楼。3階建てで、中央には祖堂があります。記事冒頭の环极楼は4階建てで、中央には何もないのが特徴的。

解説によると、通常、土楼は各家庭が縦方向に1ブロックを所有しており、1階が居間/キッチン、2階が倉庫、3階以上が寝室となっているとのことでした。1階と2階には防御のために窓がないのが特徴です。また、今回案内してもらった方は以前は土楼に住んでいたとのことで、住んでいた人ならではの話をいろいろと聞かせてもらいました*25

また、移動中には一部が崩落している土楼も見られました。曰く、最近は土楼もその不便さから居住者が減り、それが原因とのこと。というのも、土楼は数年に1回瓦を葺き替える必要があるのですが、人が住んでいないブロックでは葺き替えがされず、雨漏りによって柱が腐ったり壁がひびわれたりし、崩落につながるのだそう。

6.2.3 午後: 高北土楼群景区 

永定土楼民俗文化村に戻って昼食を「背包客驿站」で食べて、午後は高北土楼群景区に。午前と同じドライバーさんに車で送ってもらい、現地観光は自分達で、帰りは電話で呼ぶという具合でした。

こちらの見所は直径70mを超える「土楼の王」こと巨大な承启楼(承啓楼)。その威容もさることながら、内部にも驚かされました。内部は何重にも建造物が建てられており、さながら街のよう。

承启楼(内部)。

また、その隣の桥福楼(僑福楼)も、小さいながらも一族の歴史を感じさせる写真も展示され、なかなか魅力的でした。

侨福楼。小さいながらも、11名もの博士を輩出していることから、博士楼とも呼ばれます。

ちなみに、これら2つの土楼は2階以上には立ち入り禁止なのですが、すぐ隣の世泽楼には「お金払ってくれたら上らせてあげるよ」という住人らしき人もいました。筆者は午前に別の土楼に上がったので行かなかったのですが、上からの眺めはこちらの記事参照。

6.2.4 夜/宿泊

観光を終えて、夕飯と宿泊は客家土楼王子大酒店に。

こちらのホテルは小さい土楼を所有しており、宿泊客が見学することができます。夜はこんなふうにライトアップされたり*26

さて、「帰りの時間もだいたい決まったし明日の切符とるか」と思ったら、高速鉄道は全て売り切れ。やむなく、鈍行を予約しました。

6.3 3日目

6.3.1 永定土楼民俗文化村

この日は朝から永定土楼民俗文化村に行き、振成楼、福裕楼、奎聚楼の3つの主な土楼を見てきました。いずれも様式が異なり、比較してみるとなかなか興味深いかと思います。

振成楼の中央。新しい土楼ということもあるから、柱が西洋っぽい?

ざっと2時間ほど見て、昨日と同じく昼食を背包客驿站で。

ここでちょっとしたイベントが。おじさんがまたバスで到着した大勢の観光客をハーメルンの笛吹きよろしく連れてきたのですが、その中に日本から1人でいらしてた方がいました。やはり地元の人には英語が通じないので、宿を取るのをお手伝いしたり。結局、筆者達がお昼を食べていた背包客驿站に泊まることになりましたが、なんでもここに泊まると夜に振成楼の上に連れて行ってくれるそうで、大変羨ましい*27

6.3.2 移動

昼食を終えた筆者らは、再び車で龙岩に。ちなみに、前日に送ってくれたドライバーさんに連絡して、迎えに来てもらいました。

龙岩(龍岩)からは鈍行で、今度は厦门北站(アモイ北駅)ではなく島の中心にある厦门站(アモイ駅)まで2時間半ほどの道程でした。

6.4 4日目以降

翌日は終日厦门観光で、コロンス島をぶらぶらしたり、中山路で食べ歩きしたり。

5日目のお昼の便で成田空港に帰国しました。 

*1:ここまでの写真は、いずれも南渓土楼群の環極楼で撮影したもの。

*2:UNESCO公式webページ https://whc.unesco.org/en/list/1113

*3:ただし中国人向けなので、解説ややりとりは全て中国。詳細は地球の歩き方参照。

*4:筆者は中国語が少しはできるのでなんとかなりました。また、欧米からの観光客も一部にいたり、日本から来た方(中国語は話せないとのこと)ともお会いしたので、不可能というほどではないと思います。

*5:振成楼がてんで違う場所にありました。

*6:洪坑土楼群景区/永定土楼民俗文化村、高北土楼群景区、南渓土楼群、初渓土楼群景区などの総称

*7:今回はちょうど中国の5月の連休とぶつかったのでやはり混んでいました。

*8:なお、筆者は洪坑土楼群景区/永定土楼民俗文化村、高北土楼群景区、南渓土楼群の3つの土楼群しか訪れていないため、それ以外の土楼群についての情報は伝聞やweb上の情報をまとめたものとなります。

*9:「土楼の王子」とも呼ばれます。これが一番人気で混んでました。

*10:他の主な土楼もダメだった気がしますが、ややうろ覚えです。なお、夜に現地の人に頼めば上がれるという説もあります。日本から来た方が宿を取るのをお手伝いしたのですが、その宿の主人は「夜になったら、楼の主人に頼んで振成楼に上らせてあげる」と言っていました。

*11:ただし、筆者の経験では振成楼に集中しており、それ以外はさしたる混雑ではありませんでした。

*12:といっても、しつこいというほどではありませんでしたが。

*13: https://whc.unesco.org/en/list/1113/multiple=1&unique_number=1505

*14:筆者が南渓への車をお願いした業者の方情報。

*15:車のチャーターをお願いした業者の方情報。

*16:筆者は10日前に予約しました。

*17:ブランドリニューアルしてtrip.comに看板を変えた?

*18:筆者は2人で行ったので、チャーターでもまあいいか、となったのですが、1人旅だとやや高い。

*19:地球の歩き方情報

*20:いずれも地球の歩き方より

*21:アモイからの日帰りツアーも出ています

*22:現地のドライバーさん情報

*23:中国のホテルでは人数あたりではなく部屋辺りで料金が決まっているので、この場合でもせいぜい1人3000円です。

*24:連れて行かれたお店は「背包客驿站」というところでした。車のチャーターにユースホステル、レストランまでやってます。周りには似たようなお店がいくつもありました。

*25:トイレが1階以外にないのがかなり不便。防音が弱いので静かに歩くように厳しくしつけられた、1-2階は窓がないせいで風通しが非常に悪い、などなど。

*26:青い照明は余計だと思いますが。。。

*27:眺めどうだったか気になるし、連絡先聞いておけばよかったな。。。