世界史ときどき語学のち旅

歴史と言語を予習して旅に出る記録。西安からイスタンブールまで陸路で旅したい。

2023年トルコ旅行記 7日目 カッパドキア観光

2023年のゴールデンウィークのトルコ旅行7日目(2023-05-02)の記録です。

カッパドキア観光2日目です。 最初にタクシーを利用した以外は、想像の谷→ゼルヴェ野外博物館→パシャバー→ローズバレーと、全て歩きで移動しました。 暑い時期にはおすすめしない周り方*1ですが、開けた景色の中を歩くのが好きな人間としては観光地の間の移動も存外に楽しかったです。

前回に引き続き、今回も文章少なめです。

トルコ旅行全体のまとめページはこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

前日の旅行記はこちら amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

想像の谷への移動

今日は、「まずタクシーで一番遠いところまで運んでもらい、そこからホテルに向けて歩いて帰る」プランです。ということで、まずは「想像の谷」に向かいます。

前日と同じく、ギョレメオトガル前のタクシー乗り場からタクシーに乗りました。"Imagination valley"では通じなかったのですが、"Devrent"と言えば通じました。

移動中の眺め。既にして良い眺め。

この日乗ったタクシーの運転手は英語がとても流暢で、道中いろいろ話しました。 "Açık Hava Müzesi"と"Open Air Museum"と書かれた看板(下の写真は、後で徒歩で通りがかったときに撮ったもの)を見て「もしかして、"hava"って英語の"air"の意味?」と聞いたら「正解。空港の"havalimanı"もこれ由来。」と言われました。havalimanı、言われるまで全く気付かず不覚。

想像の谷まで185TLでした*2。なお現金で払ったのですが、まさかのおつりを多めに出されました。海外旅行でおつりを(少ないほうに)ごまかされる話をよく聞くのですが、これは逆パターン。正直に指摘して多すぎる分は返しました。

なお、もろに寝坊したので、この時点で10時半近く(←

想像の谷

いきなりですが、車道そばから想像の谷で一番有名な通称「ラクダ岩」がすぐに見えます。言われてみると見事にラクダの形ですね。

少し登れば、もっと近づくことができます。 ただし、カッパドキアの常(?)のようで、ここでも「岩の上に砂」という滑りやすいタイプの地面なので要注意。

大半の観光客(特に団体)はラクダ岩のあたりまでしか来ないのですが、さらに上に登ると、また違った絶景を眺めることができました。

せっかくなので、時間に余裕がある方は少し上まで登ってみるのがおすすめです(ただし繰り返しになりますが足元注意。)。

ただ、あまり先まで進むと道が不明瞭になるので、ほどほどのところで引き返しました。

だいたい45分くらい滞在したと思います。

ゼルヴェへの移動

既にして満足度が高いですが、ここから次の観光スポット、ゼルヴェに移動します。

「アクテペまで歩いて、そこからドルムシュ」というのが通常のルートの気がしますが*3、「ドルムシュ待つの面倒だし景色良さそうだし全部歩くか」という発想で歩きます。

開けた景色が好きなので、そんな景色の中を歩けるこの移動の時間も、個人的にはご褒美です。

茫漠とした大地と花畑の組合せは絵になる気がします。

日本だと標高が低いところはだいたい樹林帯になっていて、こうも開けた大地を見る機会があまりないので、やはり新鮮です*4

なお、5月初頭ですが日差しが強くて暑かったです。塩飴をもっていかなかったのはミス。。。

想像の谷からゼルヴェまでは、google mapによると4.7km。ただし、アクテペを経由せずに少しショートカットした*5ので、実際に歩いた距離はこれより短いはずです。

かかった時間はだいたい40分くらいですが、景色を楽しみながら歩けたので、あまり長くは感じませんでした*6

ゼルヴェ野外博物館

1960年代頃まで人が実際に住んでいた洞窟住居が並びます*7。住民は外部に移住して、現在は野外博物館となっています。

上の案内図の通り、大まかには3つの谷に分かれています。そこそこの広さがありますが、道はよく整備されていました。

こちらは石臼(?)。解説パネルによると、挽き割り小麦(ブルグル)*8を作るために用いられていたそうです。

教会もあったのですが、残念ながら内部は撮影禁止でした。

住居の痕跡がよくわかる形。ただ、「たぶん崩落でどんどん崩れてこの形になったのだから、住み続けるのは危ないんだろうな」と思われました。

谷(確か2番目の谷)を見渡したところ。岩を掘りぬいて作った家だけあり、少し離れて眺めるとどこまでが自然の地形でどこからが人の住むところなのかぱっと見ではわからない気がします。

こちらは3番目の谷にあるモスク*9

岩壁に穿たれているのは、解説パネルによると鳩小屋とのこと*10

よーく見てみると、開口部の周りが装飾されています。

ここからパシャバーに歩いて向かいます。ゆっくりと写真を撮りながら歩きましたが、15分から20分くらいで着きました。

パシャバー

こちらもMuseum Pass Türkiyeで入場しました。 後の予定がおしていたの(パシャバー到着時点で1時半を回っていました)で少し急ぎ目に回って、滞在時間は40分くらいでした。

写真を撮り忘れましたが、入場ゲートに着くまでにお土産屋がたくさん並んだエリアを通過した記憶があります(でも時間があまりないので、ほとんど見なかった気がします。)。

こちらの見どころは、「妖精の煙突」とも呼ばれるキノコ岩の数々。

上に乗った岩とその下の部分の色が異なることが見て取れます。 硬さなどが異なって浸食されやすさが違い、結果としてキノコ岩の形になるのかもしれないです(素人のあて推量です。)。

中でもひときわ目立つのが、このひとつながりになった岩。

岩の外見だけでも興味深いのですが、中は人によって削られており、入ることができました。

なお、入り口からキノコ岩の方に向かわずに少し横に逸れると、小高い丘があります。丘からはキノコ岩などを一望できるので、おすすめです*11

浸食がすすむと、写真奥の方にまた新たなキノコ岩が生まれるのかもしれません。

チャヴシンへ移動

ローズバレーを目指してチャヴシン方面へ移動します(引き続き歩き)。

チャヴシン着の時点で既にして午後3時。ここまでビスケットで飢えをしのいでいましたが、さすがにお腹が減ったので、お店に入って食事にしました。 (お腹が減っていたので写真は撮り忘れました。)

やはり全部歩きとおす旅程の場合は行動食を持ってきた方が良いなー、と学習しました*12

ローズバレー/レッドバレー

お腹を満たして、いよいよ今回のカッパドキアの(個人的ハイライト)、ローズバレー/レッドバレーハイキングです。

  • ルートはこちらのサイトを参考にしました。 ca-voir.com
  • 現地では地図はmaps.meを利用しました。道は枝分かれが多く、分かりやすいとは言い難かったと思います。なお、最初の方は馬に乗って移動する観光客もいるので、馬の"落とし物"が道しるべの役割を果たしていました。
  • ソードバレーには行かずに、google mapsでmeskendir vadisiと書かれた方向に抜けました。16時半近くから歩き始めて、2時間ちょっとで歩けましたが、あまり褒められた話ではないと思います(このときは19時過ぎでもかなり明るかったので問題なかったですが。)

歩き始めはこんな感じ。

徐々に標高を上げていきます。

コース上には教会が点在しています。こちらは看板にHaçlı Kiliseと書かれていた教会。 軽くgoogleで調べたところ、「十字架の教会」という意味のようです*13

名前の由来は、おそらく天井に彫られたこの十字架。

そして入って正面には、今も色彩豊かな宗教画が描かれています。 キリスト教美術には詳しくないのですが、それでも、ビザンツ時代*14の壁画が今も残っていることに感動しました*15

教会のすぐ前にはカフェもあり、このときはとても賑わっていました。

地図を見る限りでは他にもいくつも教会があるはずなのですが、道をうまく見つけられず、遭遇できませんでした。

さらに標高を上げていくと視界が開け、絶景を見ることができます。

あまりにも眺めがよかったので、このへんでしばらくまったりと景色に浸っていました。

このへんで、ちょうど反対方向から歩いてきた方と少しお話をしました。 中国から来たとのことで、中国語に切り替えて会話。 日本で登山をするときはコース状況などの話をすれ違った登山者どうしでよくするのですが、それを海外で別言語でしているのがなんだか面白かったです。

さて、この時点で17時半も近かったので、先を急ぎます。

野犬に付きまとわれたりもしたのですが、幸いにしてあまりしつこい感じではありませんでした(とはいえ、なかなか大きい犬だったので、やや怖い。。。)。 急斜面にかけられた梯子を降りたら、ついてくるのを諦めたようでした。

段々と日も傾いてきたので、写真少なめ。 谷に下っていきます。

カフェのようなところで、日本から来た2人組と話しました。 曰く、日本から移動してすぐにカッパドキアまで飛んできてハイキングをしていたそうです。体力がすごい。。。

ちなみに、カフェのおじさまに「イスラームの教え」みたいな本を進呈(または押し売り?)されそうになったのですが、なんと表紙が日本語でびっくりしました。

前日のルートで懲りたので、難易度高めという情報のあったソードバレーにはいかず、Meskendir Vadisiと書かれた方に向かいます。

全体的に、前日に雨が降ったからか地面が濡れており、場合によってはぬかるんだりしていました。

ギョレメ中心部へ

18時半頃に無事に道路に出れたので、そこからギョレメ市街地に向けて引き続き歩きます。 本当はギョレメ野外博物館に寄っていく計画だったのですが、到着したころには既に閉館時間を過ぎていました。無念。。。(寝坊したのが悪いので自業自得ですが)

ギョレメ中心部に着いたのは19時頃、だいたい8時間半くらい歩きました。 少し疲れたのですが、ずーっとあの景色の中を歩けたので大満足の一日でした。 ただ、見逃した岩窟教会も多いし、ギョレメ野外博物館も行きそびれたので、また行きたいと思います。

夕食はマンティ。 なお、パンやサラダやフライドポテトもついてきて、マンティが主食と認識していたので、まさかここまで炭水化物が多いとは思わず、びっくりしました。 たくさん歩いてお腹が空いていたはずなのに食べきれず...。(2日に1回くらいこんなことを言ってる気がする。)

翌日に続きます。

amber-hist-lang-travel.hatenablog.com

*1:5月に入ったばかりでも日差しが強く暑かったので、水/スポーツドリンク/塩飴などで熱中症対策をしたほうがよさそうです。

*2:今はインフレでもっと高いはず。

*3:たとえばhttps://ca-voir.com/cappadocia-tourism-jp/2/など参照

*4:ただ、昨年イランを旅した時よりは緑が多いように感じました。

*5:google mapの航空写真を見たところ、「地図では道路になっていないが、明らかに車の轍がある」ところがあったので、そこを利用しました。

*6:ただし登山で1日6時間くらい歩くのは苦にならない人間の感想と思って割り引いていただければと思います。

*7:現地の解説パネルの写真を見返しても年代の記載はぱっとは見つけられませんでした。google検索した範囲だと、https://www.cappadociahistory.com/post/zelve-open-air-museum-overviewhttps://www.turkeytourorganizer.com/blog/zelve-open-air-museumなどに記載がありました。

*8:解説パネルの英語では"cracked wheat (bulghur)"とありました。

*9:解説パネルにモスクと書かれていました。

*10:解説パネルでは"dovecotes"や"pigeonries"。

*11:私はhttps://ca-voir.com/pasabagi-and-zelve-jp/ のサイトで知りました。

*12:実は日本から行動食は持ってきていたのですが、ヒエラポリスを歩き回ったときに食べてしまい、カッパドキアでは手持ちがありませんでした。ミス。

*13:https://www.cappadociahistory.com/post/cross-ha%C3%A7l%C4%B1-church

*14:たぶん。あて推量です。 https://www.cappadociahistory.com/post/cross-ha%C3%A7l%C4%B1-church によると1200年前のものだそうです。

*15:と言っても、後世の補修や修復が入った可能性があるので、これが描かれた当時のまま残っているのかどうかは分からないです。